中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問59 (企業経営理論 問9)
問題文
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問題
中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問59(企業経営理論 問9) (訂正依頼・報告はこちら)
- コア技術戦略では、コア技術が陳腐化したり、競合企業に模倣されたりしても、コア技術の入れ替えは考えず、既存のコア技術にこだわった技術開発や製品開発を追求する。
- コア技術戦略では、コア技術の活用に注力し、既存市場でのシェア拡大を最優先の目標とする。
- コア技術戦略では、コア技術を活用して顧客ニーズに合致した製品を開発することが望ましいが、開発の初期段階ではコア技術よりも既存顧客の要求を優先する。
- コア技術戦略では、コア技術を基盤に、多様な製品を開発し、その学習成果をコア技術の強化や発展につなげる。
- コア技術戦略では、特定の技術に経営資源を集中させるため、事業の多角化が難しく、コア技術に依存するリスクを分散しにくい。
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この過去問の解説 (2件)
01
コア技術戦略に関する問題です。
コア技術戦略は、自社の競争優位性の源泉となる核(コア)技術を特定し、それを応用・発展させて新規事業の創出や市場拡大を図る戦略です。そのため、シーズ(技術)志向が強いです。
具体例としては、ダイナミック・ケイパビリティの問題で挙げている富士フイルムがあります。
富士フイルムは、コア技術の写真フィルム技術を化粧品開発などに応用させて、化粧品事業に進出しています。(CMで観る機会があるアスタリフトは、富士フィルムの製品です)
なお、富士フイルムのライバル企業だったコダック社(米国)は既存のコア技術であるフィルム事業に拘り、市場が縮小していたフィルム市場以外への事業展開ができずに経営破綻しています。
コア技術が陳腐化したり、競合企業に模倣されたりした場合はコア技術の入れ替えを考える必要があり不適切な選択肢となります。
冒頭のコダック社の事例にあるように、市場が縮小している場合に、既存のコア技術にこだわった技術開発や製品開発を追求しても購入するユーザーが減少しているため、収益性が低下して事業継続が困難になる可能性があります。
冒頭の解説より、コア技術戦略はコア技術をもとに新規事業の創出や市場拡大を図るため不適切な選択肢となります。
※事業継続のために既存市場でのシェアを拡大させることは考えられますが、最優先の目標とするのは新規事業の創出や市場拡大です。
「顧客ニーズに合致した製品を開発する」のはニーズ志向です。
冒頭の解説より、「自社の競争優位性の源泉となる核(コア)技術を特定」することはシーズ志向であり不適切な選択肢となります。
冒頭の富士フィルムの事例にあるように、フィルムから化粧品の開発など多様な製品を開発しており、化粧品開発の学習成果がコア技術の強化や発展につながると考えられるため正解の選択肢となります。
冒頭の解説より、新規事業の創出や市場拡大を図ることは事業の多角化を容易にし、コア技術に依存するリスクを分散しやすいため不適切な選択肢となります。
【補足】
コア技術を保有していることは自社の強みですが、中小企業は経営資源に乏しいため既存事業を深耕し、新規事業にはなかなか踏み出せないことも多いです。そのため、二次試験でも問われやすい論点です。
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02
特定の技術を基盤に展開を図る「コア技術戦略」に関する問題です。技術の水平展開と、そこからの学習効果による自己強化プロセスを理解しているかが問われています。
不適切
コア技術が陳腐化・模倣された場合には、次なるコア技術の構築や入れ替えを検討する必要があります。既存技術に固執し続けることは、競争優位性を失うリスクを高めるため不適切です。
不適切
コア技術戦略は、一つの核となる技術を多様な製品や市場に展開することが強みとなります。既存市場のシェア拡大のみを最優先とする記述は、戦略の広がりを制限している為、不十分です。
不適切
開発初期に既存顧客の要求を優先すると、技術の汎用性や革新性が損なわれるイノベーションのジレンマに陥る可能性があります。コア技術戦略では、技術そのものの可能性を追求する視点が必要です。
適切
コア技術を複数の事業に活用させ、各現場で得られた知見を再び技術基盤にフィードバックする。この循環構造の説明がコア技術戦略の定義として最も適切です。
不適切
一つのコア技術を核にして関連多角化を推進するのがコア技術戦略の特徴です。したがって、多角化が難しいとする記述は誤りです。
コア技術は樹木に例えられることがあります。太い根や幹(技術)を育てることで、多くの枝(製品)を伸ばすことができ、その枝が光合成(市場での学習)を行うことで、さらに根や幹が太くなるという自己強化のサイクルをイメージすると良いでしょう。
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