中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問57 (企業経営理論 問7)

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問題

中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問57(企業経営理論 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

ある業界では、次のような特徴が見られる。

・新規参入には、大規模な設備や高度な専門技術が必要で、初期投資も多額になる。また、業界の参入規制に従うための許可取得にも時間を要する。
・撤退する際は、当該設備を他業界に転用でき、契約の解消もスムーズに進むため、撤退時の負担は比較的小さい。

「業界の構造分析」の考え方に従った場合、この業界における競争の特質に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 参入障壁が高く、撤退障壁が低い業界であるため、新規参入は控えられる一方、低業績の企業は撤退しやすくなることから、業界の収益性は高くなりやすい。
  • 参入障壁も撤退障壁も低いため、不採算企業が市場に残りやすく、業界の競争が激化して業界の収益性は低下しやすくなる。
  • 新規参入が制限されるとともに、競争力の低い企業が撤退しやすくなることから、市場の集中度は低下し、業界の競争は緩やかになりやすい。
  • 新規参入は慎重に行われるものの、撤退コストが低いため、多くの企業は業界にとどまり続け、結果として業界の競争は激しくなりやすい。
  • 撤退が容易であるため、新規参入に対する動機は高まり、結果として、業界の競争の激化と収益性の低下が長期的に進みやすい。

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この過去問の解説 (2件)

01

業界の構造分析(ポーターの5フォース分析)に関する問題です。

選択肢1. 参入障壁が高く、撤退障壁が低い業界であるため、新規参入は控えられる一方、低業績の企業は撤退しやすくなることから、業界の収益性は高くなりやすい。

低業績の企業は撤退しやすくなることから過度な競争が抑えられ、業界の収益性は高くなりやすく正解の選択肢となります。

選択肢2. 参入障壁も撤退障壁も低いため、不採算企業が市場に残りやすく、業界の競争が激化して業界の収益性は低下しやすくなる。

与件文から、新規参入時に大規模な設備や高度な専門技術が必要で、初期投資も多額になり、業界の参入規制に従うための許可取得にも時間を要することから参入障壁は高く不適切な選択肢となります。

選択肢3. 新規参入が制限されるとともに、競争力の低い企業が撤退しやすくなることから、市場の集中度は低下し、業界の競争は緩やかになりやすい。

新規参入が制限されるとともに、競争力の低い企業が撤退しやすくなることから、市場の集中度は上昇し、業界の競争は緩やかになりやすいため不適切な選択肢となります。(新規参入は制限されますが、新規参入が全くないわけではないため、ある程度は市場が集中します)

 

本選択肢の「市場の集中度」の判断がやや難しいため、正誤判断しやすい他の選択肢で選択肢を絞り込む方が無難です。あるいは、「参入も撤退も両方しやすい場合は、市場の集中度は低下する」と考える方が正誤判断しやすいでしょう。

選択肢4. 新規参入は慎重に行われるものの、撤退コストが低いため、多くの企業は業界にとどまり続け、結果として業界の競争は激しくなりやすい。

撤退コストが低いため多くの企業は撤退しやすく、結果として業界の競争は緩やかになりやすいため不適切な選択肢となります。

選択肢5. 撤退が容易であるため、新規参入に対する動機は高まり、結果として、業界の競争の激化と収益性の低下が長期的に進みやすい。

与件文から、新規参入時に大規模な設備や高度な専門技術が必要で、初期投資も多額になり、業界の参入規制に従うための許可取得にも時間を要することから新規参入に対する動機は慎重になります

 

また、撤退が容易であるため、結果として業界の競争の緩和と収益性の上昇が長期的に進みやすく不適切な選択肢となります。

まとめ

【補足】

 

業界の構造分析(ポーターの5フォース分析)も、毎年出題される定番中の定番です。

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02

参入障壁と撤退障壁の組み合わせが業界の収益性に与える影響を問う問題です。

選択肢1. 参入障壁が高く、撤退障壁が低い業界であるため、新規参入は控えられる一方、低業績の企業は撤退しやすくなることから、業界の収益性は高くなりやすい。

適切
参入障壁が高いことは新規競合の脅威を抑え、撤退障壁が低いことは不採算企業の早期退出を促し、過度な競争を避けることにつながります。この組み合わせは、業界全体の収益性を安定・向上させる構造です。

選択肢2. 参入障壁も撤退障壁も低いため、不採算企業が市場に残りやすく、業界の競争が激化して業界の収益性は低下しやすくなる。

不適切
撤退障壁が低い場合は、不採算企業はむしろ市場から退出しやすくなります。設問の記述は撤退障壁が高い場合の説明となっています。

選択肢3. 新規参入が制限されるとともに、競争力の低い企業が撤退しやすくなることから、市場の集中度は低下し、業界の競争は緩やかになりやすい。

不適切
競争力の低い企業が撤退しやすくなると残った企業にシェアが集まるため、市場の集中度は一般的に上昇することになります。

選択肢4. 新規参入は慎重に行われるものの、撤退コストが低いため、多くの企業は業界にとどまり続け、結果として業界の競争は激しくなりやすい。

不適切
撤退コストが低い場合、企業は不採算時に業界にとどまり続ける理由が乏しいため、競争が激化するという記述は矛盾しています。

選択肢5. 撤退が容易であるため、新規参入に対する動機は高まり、結果として、業界の競争の激化と収益性の低下が長期的に進みやすい。

不適切
撤退の容易さは参入の心理的ハードルを下げますが、設問では「大規模設備や専門技術が必要」という高い参入障壁が存在するため、安易な参入激化は起こりません。

まとめ

参入しづらく撤退しやすい状態が、業界の収益性を最も高めます。
 

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