中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問56 (企業経営理論 問6)
問題文
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問題
中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問56(企業経営理論 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
- TOBとは、買収者が対象企業の株式を公開市場で株主から買い付ける手法のことを指す。
- 経営陣が中核となって既存株主から株式を買い取ることをMBOと呼ぶが、MBOは上場企業では起こるが、非上場企業では起こらない。
- 仕入先の事業を買収し、事業のバリューチェーンの変革を目指す買収を水平的M&Aと呼ぶ。
- ジョイントベンチャーは、M&Aよりも当事者同士で共有できる情報の範囲が広く範囲の経済を享受できるので、より大きな相乗効果が期待される。
- ベンチャー企業が開発した革新的な技術やビジネスモデルを取り込み、自社の既存事業との間でシナジーを発現させることなどを目的に、事業会社がベンチャー企業に投資をすることをCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)と呼ぶ。
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この過去問の解説 (2件)
01
企業間の連携戦略に関する問題です。前問同様に、こちらも頻出論点です。
TOBとは、買収者が対象企業の株式を取引所外で株主から買い付ける手法のことを指すため不適切な選択肢となります。
MBOは非上場企業でも用いられており、不適切な選択肢となります。
※「非上場企業では起こらない」という100%断定的な表現に違和感を感じて、選択肢から除外することができれば十分です。
仕入先の事業を買収し、事業のバリューチェーンの変革を目指す買収を垂直的M&Aと呼ぶため不適切な選択肢となります。
※前問が、まさに垂直的M&Aの内容です。
ジョイントベンチャーが、M&Aよりも範囲の経済を享受できるとは言い切れません。また、「共有できる情報の範囲」の観点ではM&Aの方がジョイントベンチャーよりも優れているため、不適切な選択肢となります。
※M&Aは、M&Aの対象企業を買収して自社内に取り込むことです。ジョイントベンチャーは連携するだけであり、相手方企業の法人上の地位は維持されたままです。
本選択肢は、CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)の説明として適切であり正解の選択肢となります。
【補足】
水平的M&A、垂直的M&Aの違いについて。
・水平的M&A:水平(ヨコ)なので、同業者同士のM&A
・垂直的M&A:垂直(タテ)なので、バリューチェーンの上下関係にある企業をM&Aすること。
本問では、「仕入先の事業を買収」という記述から垂直的M&Aであると判断できます。
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02
企業間の連携戦略および買収(M&A)に関する問題です。TOB、MBO、CVC、ジョイントベンチャーといった各手法の特徴と、それらの戦略的意図を正確に区別して理解する必要があります。
不適切
TOB(株式公開買付け)は、買収者が「市場外」で不特定多数の株主に対して、株式の購入価格等を提示して株式を買い付ける手法です。選択肢にある「公開市場(市場内)」での買い付けという説明は誤りです。
不適切
MBO(マネジメント・バイ・アウト)は、上場企業の非公開化だけでなく、非上場企業における親会社からの独立や事業承継の手段としても活用されます。したがって「非上場企業では起こらない」とする記述は誤りです。
不適切
仕入先(供給者)や販売先(顧客)など、バリューチェーンの異なる段階にある企業を買収することは垂直的M&Aです。同業他社など、バリューチェーンの同じ段階にある企業を買収することを水平的M&Aと呼びます。
不適切
一般的に組織が完全に1つに統合されるM&Aの方が、独立した企業同士が共同出資するジョイントベンチャーよりも情報の共有範囲が広く、資源の活用や相乗効果をより期待できるとされています。
適切
CVCの定義、その目的(既存事業とのシナジーや革新的な技術の取り込み)として、適切な記述です。
この問題の内容は企業戦略において基礎的なものです。各手法のメリット・デメリットを整理しておくことは必須といえます。
以下のポイントを明確に区別する必要があります。
・M&Aの方向性:同じ階層なら「水平」、異なる階層(仕入先・販売先)なら「垂直」。
・買い手の属性:経営陣なら「MBO」、従業員なら「EBO」。
・投資の性格:本業とのシナジーを目的とした事業会社による投資が「CVC」。
・統合の度合い:資本の結合を伴うM&Aは、契約ベースの提携や共同出資のジョイントベンチャーよりも組織的な統合度が高い。
企業間の連携は男女関係に例えられることがあります。ジョイントベンチャーは共同生活であるのに対し、M&Aは入籍であり、より深い情報の共有と一体化した事業運営が求められる一方で、解消のハードルも高くなります。
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