中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問54 (企業経営理論 問4)

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問題

中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問54(企業経営理論 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

ダイナミック・ケイパビリティに関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • ダイナミック・ケイパビリティは、企業が外部環境への依存度を下げ、完全に独立した運営を実現する能力を指す。
  • ダイナミック・ケイパビリティは、既存の経営資源を活用することで、成熟期の安定的な市場環境で競争優位性を得る能力を指す。
  • ダイナミック・ケイパビリティは、競合他社からの模倣によって追いつかれないように、業務プロセスの効率化を一層追求する能力を指す。
  • ダイナミック・ケイパビリティは、顧客に独自の価値を提供し、かつ競合他社からの模倣を防ぐことを可能にする、現在の市場において競争優位性を獲得する基盤となる中核的な能力を指す。
  • ダイナミック・ケイパビリティは、市場環境の変化を知覚し、新たなビジネス機会を活かし、必要時には既存の経営資源やプロセスを再構成する能力を指す。

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この過去問の解説 (1件)

01

ダイナミックケイパビリティとは、企業が急速な外部環境の変化に対応するために、その環境に適応して自己を変革する能力を指します。
大きく下記の三つの視点で捉えます。
・感知(センシング):機会や脅威をいち早く察知する能力
・補足(シージング):感知した機会を捉え、既存の経営資源を再構成し、競争力を獲得していく能力
・変容(トランスフォーミング):競争力を持続的なものにしていくために組織全体を変革していく能力

対となる概念にオーディナリーケイパビリティ(日常業務を効率的に遂行する能力)があります。

選択肢1. ダイナミック・ケイパビリティは、企業が外部環境への依存度を下げ、完全に独立した運営を実現する能力を指す。

不適切
ダイナミックケイパビリティは外部環境に適応していくことが重要なポイントです。独立した運営を実現する能力ではありません。

選択肢2. ダイナミック・ケイパビリティは、既存の経営資源を活用することで、成熟期の安定的な市場環境で競争優位性を得る能力を指す。

不適切
ダイナミックケイパビリティは安定的な市場環境ではなく、不確実性の高い市場環境で競争優位性を得る為の能力です。

選択肢3. ダイナミック・ケイパビリティは、競合他社からの模倣によって追いつかれないように、業務プロセスの効率化を一層追求する能力を指す。

不適切
業務プロセスの効率化は、対になる概念(オーディナリーケイパビリティ)を指します。

選択肢4. ダイナミック・ケイパビリティは、顧客に独自の価値を提供し、かつ競合他社からの模倣を防ぐことを可能にする、現在の市場において競争優位性を獲得する基盤となる中核的な能力を指す。

不適切
この説明分はコア・コンピタンス(核心的能力)の説明です。

選択肢5. ダイナミック・ケイパビリティは、市場環境の変化を知覚し、新たなビジネス機会を活かし、必要時には既存の経営資源やプロセスを再構成する能力を指す。

適切
ダイナミックケイパビリティの基本的な説明文です。

まとめ

ダイナミックケイパビリティは比較的新しい理論です。不確実性の高い現代の市場環境において、しっかりと世の中の動向を捉え、AIやITなどの技術を用いてダイナミックに組織や構造を作り変え適応していくDXを行い、組織を変革させ、競争優位性を獲得していく事をイメージすると良いでしょう。

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