中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問51 (企業経営理論 問1)

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問題

中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問51(企業経営理論 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

C.ホッファーとD.シェンデルは、戦略概念を整理し、戦略には階層があり、それぞれの戦略の検討事項は異なることを指摘している。彼らの分類に基づいた戦略に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 機能分野別戦略では、事業領域の選択が最も重要な戦略上の検討事項である。
  • コングロマリット企業の全社戦略では、事業間の資源シナジーの創出が最も重要な戦略上の検討事項である。
  • 事業戦略では、事業ポートフォリオ内の事業間での経営資源の配分が最も重要な戦略上の検討事項である。
  • 事業戦略では、独自能力の構築と競争優位性の獲得が最も重要な戦略上の検討事項である。
  • 全社戦略では、特定の製品や市場セグメントでの競争に焦点を当て、その事業の成長や利益を増加させることが最も重要な戦略上の検討事項である。

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この過去問の解説 (1件)

01

戦略の階層に関する問題です。戦略の階層には①全社戦略(企業戦略)②事業戦略(競争戦略)③機能別戦略があり、各階層で検討事項が異なります。
イメージとして、①全社戦略=トップマネジメント、②事業戦略=事業部門、③機能別戦略=開発、製造、販売などの個別機能でそれぞれ検討する内容を想像すると良いと思います。

選択肢1. 機能分野別戦略では、事業領域の選択が最も重要な戦略上の検討事項である。

不適切
事業領域の選択が重要なのは企業戦略です。機能分野別戦略は開発、製造、販売などの個別機能に対するリソースの最適化が検討事項となります。

選択肢2. コングロマリット企業の全社戦略では、事業間の資源シナジーの創出が最も重要な戦略上の検討事項である。

不適切
コングロマリット企業は、複数の企業が一つのグループになっている複合企業であり、最も重要な全社戦略の検討事項は事業ポートフォリオとなります(どの事業を続けて、どの事業から撤退するかなどを検討する)。
 

選択肢3. 事業戦略では、事業ポートフォリオ内の事業間での経営資源の配分が最も重要な戦略上の検討事項である。

不適切
事業戦略ではなく、全社戦略の説明です。

選択肢4. 事業戦略では、独自能力の構築と競争優位性の獲得が最も重要な戦略上の検討事項である。

適切
事業戦略の検討事項の説明として適切です。

選択肢5. 全社戦略では、特定の製品や市場セグメントでの競争に焦点を当て、その事業の成長や利益を増加させることが最も重要な戦略上の検討事項である。

不適切
全社戦略では個別の事業での競争ではなく、全体の事業ポートフォリオの検討が重要な検討課題となります。
 

まとめ

ホッファーとシェンデルはポーターやアンゾフと比べると問題に名前が出る頻度は少ない為、人名を優先して覚える必要はないでしょう。人名よりも戦略は全社、事業、機能の3階層に分かれ、それぞれ検討事項が異なるという内容を押さえておくと良いと思います。
ある程度規模の大きい企業で下記のようなイメージとなります。
 全社戦略:社長や取締役が検討する(事業の継続や撤退、全社のリソース配分など)
 事業戦略:事業部長が検討する(事業の競争優位性の獲得など)
 機能分野別戦略:事業部内の各課や営業所長、工場長などが検討する(課内や所内などの小単位で与えられた役割の最適化など)

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