中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問48 (財務・会計 問22)

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問題

中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問48(財務・会計 問22) (訂正依頼・報告はこちら)

当期のB社とC社のEBITDA、有利子負債、現金・預金、当期純利益、減価償却費はそれぞれ等しいとする。B社の企業価値EBITDA倍率(=企業価値÷EBITDA)がC社のそれよりも高いとき、両社の株価キャッシュフロー倍率に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、B社とC社は日本の会計基準を採用しており、簡便的に、EBITDAと株価キャッシュフロー倍率のキャッシュフローはそれぞれ利益額に減価償却費を加算して計算されている。
  • B社の株価キャッシュフロー倍率はC社のそれと等しい。
  • B社の株価キャッシュフロー倍率はC社のそれよりも高い。
  • B社の株価キャッシュフロー倍率はC社のそれよりも低い。
  • どちらの株価キャッシュフロー倍率が高いかは判断できない。

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この過去問の解説 (2件)

01

株価キャッシュフロー倍率に関する問題です。

 

与件文に、

・B社とC社のEBITDA、有利子負債、現金・預金、当期純利益、減価償却費はそれぞれ等しい

・B社の企業価値EBITDA倍率(=企業価値÷EBITDA)はC社よりも高い

とありますので、シンプルに株価キャッシュフロー倍率はB社>C社と判断できます。

 

参考までに、計算式は

企業価値=株式時価総額+有利子負債-現金及び現金同等物
EBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)=営業利益+減価償却費+のれん償却費など 

株価キャッシュフロー倍率=株価÷1株当たりキャッシュフロー

1株当たりキャッシュフロー=(当期純利益+減価償却費)÷発行済株式数

です。

選択肢1. B社の株価キャッシュフロー倍率はC社のそれと等しい。

冒頭の解説より、B社の株価キャッシュフロー倍率はC社のそれよりも高いため不適切な選択肢となります。

選択肢2. B社の株価キャッシュフロー倍率はC社のそれよりも高い。

冒頭の解説より、B社の株価キャッシュフロー倍率はC社のそれよりも高いため正解の選択肢となります。

選択肢3. B社の株価キャッシュフロー倍率はC社のそれよりも低い。

冒頭の解説より、B社の株価キャッシュフロー倍率はC社のそれよりも高いため不適切な選択肢となります。

選択肢4. どちらの株価キャッシュフロー倍率が高いかは判断できない。

冒頭の解説より、B社の株価キャッシュフロー倍率はC社のそれよりも高いため不適切な選択肢となります。

まとめ

【補足】

 

他の問題で、「具体的な数値に置き換えてみると正誤判断しやすい」と解説していますが、企業価値EBITDA倍率以外の数値は全て等しいという設定のため、本問では具体的な数値に置き換えてみるまでもありません。

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02

この問題は、企業価値の評価指標である「EV/EBITDA倍率」と「株価キャッシュフロー倍率(PCFR)」の構造的な違いを正確に理解できているかを問うものです。

 

前提として、両社の「EBITDA」「有利子負債」「現預金」「当期純利益」「減価償却費」はすべて同じです。

 

① EV/EBITDA倍率の比較からわかること

問題文より、「B社のEV/EBITDA倍率 > C社のEV/EBITDA倍率」です。

分母のEBITDAは両社等しいため、分子の 「B社のEV(企業価値) > C社のEV」 であることがわかります。

 

② EVの定義を分解する

EV(企業価値)は以下の式で表されます。

 

EV = 株式価値(時価総額) + 有利子負債 - 現金・預金

 

ここで、両社の「有利子負債」と「現預金」は等しいため、EVの差はそのまま株式価値の差になります。

したがって、「B社の株式価値(時価総額) > C社の株式価値」 と結論づけられます。

 

③ 株価キャッシュフロー倍率(PCFR)の比較

株価キャッシュフロー倍率は、以下の式で計算されます。

 

株価キャッシュフロー倍率 = 株式価値(時価総額)/キャッシュフロー

 

(※分母のキャッシュフローは「当期純利益 + 減価償却費」と定義されています)

 

分母(CF): 両社の純利益と減価償却費は等しいため、分母は同じです。

分子(株式価値): 手順②で導いた通り、B社の方が大きいです。

よって、B社の株価キャッシュフロー倍率はC社のそれよりも高くなります。

選択肢2. B社の株価キャッシュフロー倍率はC社のそれよりも高い。

上記より、これが正解です。

まとめ

この問題の混乱ポイントは、「EV(企業価値)」と「株式価値(時価総額)」の混同です。

EV/EBITDA倍率: 債権者(有利子負債)と株主(株式価値)の両方に帰属する価値をベースにした指標。

株価キャッシュフロー倍率: 株主だけに帰属する価値(時価総額)をベースにした指標。

 

今回のように「有利子負債などの条件が同じ」であれば、EVが高い=株価も高いと判断してOKです。

しかし、もしC社の方が圧倒的に借金(有利子負債)が多い設定だった場合、EVが高くても株価は低い、といった逆転現象が起こります。

計算式の「分子」に何が含まれているかを意識しましょう。

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