中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問44 (財務・会計 問19)

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問題

中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問44(財務・会計 問19) (訂正依頼・報告はこちら)

投資評価基準に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 会計的投資利益率法では、償却方法を考慮して、会計利益に利払前・税引前・減価償却前の利益を用いて会計的投資利益率を計算する。
  • 相互排他的な投資案の比較を行う場合、収益性指数法による結果は、正味現在価値法による結果と整合的である。
  • 内部収益率法は、内部収益率が複数存在する場合があることを指摘されている。
  • 割引回収期間法は、各期のキャッシュフローが均一でない場合には適用できない。

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この過去問の解説 (1件)

01

投資評価基準に関する問題です。そのものズバリ正答の記述が書かれている選択肢があり、知識があればあまり考えなくても正答することができます。

 

 

選択肢1. 会計的投資利益率法では、償却方法を考慮して、会計利益に利払前・税引前・減価償却前の利益を用いて会計的投資利益率を計算する。

会計的投資利益率法の計算式は「平均利益÷平均投資額」になり、投資から得られる平均利益を平均投資額で割り、その比率で投資の収益性を評価する方法です。

 

会計利益に利払・税引・減価償却の利益を用いるため、不適切な選択肢となります。

 

 

選択肢2. 相互排他的な投資案の比較を行う場合、収益性指数法による結果は、正味現在価値法による結果と整合的である。

次のような3つの投資案があるとします。

 初期投資額現在価値
A9,000万円12,000万円
B7,500万円8,000万円
C2,500万円5,000万円

収益性指数法は、現在価値÷初期投資額による「比率」で求めます。そのため、最も指数の高いC(2.0)が採用されます。

正味現在価値法は、現在価値-初期投資額により正味現在価値を求めます。そのため、最も正味現在価値が大きいA(3,000万円)が採用されるため、整合的ではなく不適切な選択肢となります。

 

※知識が曖昧であっても、手間はかかりますが具体的な数値を置くことにより正誤判断ができます。

選択肢3. 内部収益率法は、内部収益率が複数存在する場合があることを指摘されている。

内部収益率法は内部収益率が複数存在する場合があることを指摘されており、正解の選択肢となります。

 

※資格の専門学校で作成されているテキストや、市販の教材にも書かれている内容です。

選択肢4. 割引回収期間法は、各期のキャッシュフローが均一でない場合には適用できない。

割引回収期間法の計算方法は、以下の通りです。

 

1.各年度の将来キャッシュフローを、割引率(WACCなど)を用いて現在価値に割り引く。
2.割引後のキャッシュフローの累積額を計算する。
3.累積額が初期投資額を上回る時点を、投資回収期間とする。

 

1より、将来キャッシュフローは各年度ごとに計算するため、各期のキャッシュフローが均一でない場合にも適用できます

したがって、不適切な選択肢となります。

まとめ

【補足】

 

投資評価基準に関する問題は、毎年何らかの出題がある頻出論点です。過去問題を使ってしっかり復習しておきましょう。

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