中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問35 (財務・会計 問10)

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問題

中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問35(財務・会計 問10) (訂正依頼・報告はこちら)

連結財務諸表に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 親会社の当期純利益が1,000百万円であり、子会社の当期純利益が500百万円であった。親会社が子会社の普通株式の70%を保有しているので、当期の連結損益計算書の当期純利益は1,350百万円である。
  • 親会社は子会社に対して売掛金を500百万円保有しており、子会社が親会社に対して売掛金を100百万円保有している。他社に対する売掛金がないので、連結貸借対照表における売掛金は両者を相殺して400百万円である。
  • 当期(4月1日~3月31日)の10月1日に他社を買収し、10月1日時点で生じたのれんが200百万円である。のれんを10年で償却する場合、当期の連結損益計算書におけるのれん償却は20百万円である。
  • 当期(4月1日~3月31日)の12月1日に普通株式の70%を取得して他社を買収し、12月1日時点の非支配株主持分が500百万円であった。買収後の子会社の当期純利益が100百万円なので、当期末の連結貸借対照表における非支配株主持分は530百万円になる。

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この過去問の解説 (2件)

01

連結財務諸表に関する問題です。各選択肢の情報量が多く手間がかかる内容のため後回しにして、消去法で正答できれば十分です。(詳しくは解説のまとめを参照してください)

選択肢1. 親会社の当期純利益が1,000百万円であり、子会社の当期純利益が500百万円であった。親会社が子会社の普通株式の70%を保有しているので、当期の連結損益計算書の当期純利益は1,350百万円である。

親会社の当期純利益が1,000百万円、子会社の当期純利益が500百万円のため、当期の連結損益計算書の当期純利益は1,500百万円であり不適切な選択肢となります。

 

※非支配株主持分という記述がないため、子会社の支配分だけ(本問では500×0.7=350百万円)連結損益計算書の当期純利益に含めるのではありません。なお、非支配株主持分については他の選択肢で問われています。

選択肢2. 親会社は子会社に対して売掛金を500百万円保有しており、子会社が親会社に対して売掛金を100百万円保有している。他社に対する売掛金がないので、連結貸借対照表における売掛金は両者を相殺して400百万円である。

親会社-子会社間において相殺するのは売掛金と買掛金であるため、不適切な選択肢となります。

選択肢3. 当期(4月1日~3月31日)の10月1日に他社を買収し、10月1日時点で生じたのれんが200百万円である。のれんを10年で償却する場合、当期の連結損益計算書におけるのれん償却は20百万円である。

他社を買収しているタイミングに注意してください。(当期の半分が過ぎています)

 

10月1日時点で生じたのれんが200百万円であるため、のれんを10年で償却する場合、当期の連結損益計算書におけるのれん償却は10百万円となり不適切な選択肢となります。

選択肢4. 当期(4月1日~3月31日)の12月1日に普通株式の70%を取得して他社を買収し、12月1日時点の非支配株主持分が500百万円であった。買収後の子会社の当期純利益が100百万円なので、当期末の連結貸借対照表における非支配株主持分は530百万円になる。

買収後の子会社の当期純利益が100百万円のため、非支配株主に帰属する利益は100百万円×0.3=30百万円となり、当期末の連結貸借対照表における非支配株主持分は530百万円(500百万円+30百万円)と正解の選択肢となります。

 

非支配株主持分の知識があれば対応できますが、他の選択肢で正誤判断して消去法で正答できれば十分です。

まとめ

【補足】

 

本問は連結決算や非支配株主持分の知識+確認程度ではありますが計算行程が必要となるため、本試験においては一旦スキップし、全ての問題に対応した後の残り時間で解くことをお勧めします。

 

※試験時間60分の中で見直しの時間も確保する必要があるため、25マーク出題されると仮定して1マーク2分以内で全ての問題に50分以内で対応し、見直しの時間+スキップした問題へ10分+α程度の時間を残せるようにタイムマネジメントを意識してください。

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02

連結財務諸表に関する問題です。

特に「非支配株主持分」の計算や「内部取引の消去」は、1次試験のみならず2次試験(事例IV)でも使う可能性があります。

 

 

選択肢1. 親会社の当期純利益が1,000百万円であり、子会社の当期純利益が500百万円であった。親会社が子会社の普通株式の70%を保有しているので、当期の連結損益計算書の当期純利益は1,350百万円である。

誤りです

連結損益計算書における「当期純利益」は、親会社と子会社の利益を単純合算(1,000 + 500 = 1,500)した額になります。

設問の「1,350」は、親会社株主に帰属する当期純利益(1,000 + 500 × 70%)を指していますが、連結P/L上の項目名としては不適切です。

「連結当期純利益」と「親会社株主に帰属する当期純利益」の違いにひっかからないようにしてください。

選択肢2. 親会社は子会社に対して売掛金を500百万円保有しており、子会社が親会社に対して売掛金を100百万円保有している。他社に対する売掛金がないので、連結貸借対照表における売掛金は両者を相殺して400百万円である。

誤りです。

連結グループ内の売掛金と買掛金は、「全額」相殺消去します。

親会社側の売掛金500(対子会社)と、子会社側の売掛金100(対親会社)は、それぞれの相手方の買掛金と相殺されて「ゼロ」になります。

差額を連結B/Sに残すことはありません。

「内部取引は全額消去」は連結会計のルールです。

選択肢3. 当期(4月1日~3月31日)の10月1日に他社を買収し、10月1日時点で生じたのれんが200百万円である。のれんを10年で償却する場合、当期の連結損益計算書におけるのれん償却は20百万円である。

誤りです。

10月1日に発生したのれんを当期末(3月31日)に償却する場合、6ヶ月分の月割計算が必要です。

 

計算:200百万円 ÷ 10年 × (6ヶ月 / 12ヶ月) = 10百万円。 

設問の「20百万円」は1年分となっているため誤りです。

 

期間按分(月割計算)を忘れないようにしましょう。

選択肢4. 当期(4月1日~3月31日)の12月1日に普通株式の70%を取得して他社を買収し、12月1日時点の非支配株主持分が500百万円であった。買収後の子会社の当期純利益が100百万円なので、当期末の連結貸借対照表における非支配株主持分は530百万円になる。

正解です。

非支配株主持分は、以下の計算で求めます。

取得時点(12/1):500百万円

子会社の利益の振替:100百万円(買収後利益) × 30%(非支配株主比率) = 30百万円

期末残高:500 + 30 = 530百万円

子会社の利益のうち、親会社のものではない部分(30%分)を非支配株主持分に加算するというロジックです。

まとめ

連結会計の攻略ポイントです。

 

非支配株主の扱い: 子会社の資本や利益のうち「親会社の持分以外」を「非支配株主持分」としてカウントします。これはB/Sの純資産の部に計上されます。

月割計算: 期中買収の場合、収益・費用・償却費はすべて「買収後から期末まで」の期間で計算します。

相殺消去: グループ内の貸し借りは、連結B/S上では「右のポケットから左のポケットへ移しただけ」とみなされ、跡形もなく消します。

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