中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問29 (財務・会計 問4)

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問題

中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問29(財務・会計 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

「中小企業の会計に関する指針」における棚卸資産に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 借り入れた資金で商品を購入した場合、借入日から商品購入日までの利息をその商品の取得原価に算入することができる。
  • 棚卸資産に係る簿価切下額のうち、臨時の事象に起因し、かつ、多額であるものは、損益計算書上、特別損失として表示する。
  • 棚卸資産の評価基準としては、個別法、後入先出法、総平均法、移動平均法などが挙げられる。
  • 棚卸資産は原則として期末における時価をもって、貸借対照評価額とすることが求められている。

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この過去問の解説 (2件)

01

「中小企業の会計に関する指針」における棚卸資産に関する問題です。

選択肢1. 借り入れた資金で商品を購入した場合、借入日から商品購入日までの利息をその商品の取得原価に算入することができる。

利息は取得原価に算入することができないため、不適切な選択肢となります。

選択肢2. 棚卸資産に係る簿価切下額のうち、臨時の事象に起因し、かつ、多額であるものは、損益計算書上、特別損失として表示する。

特別損失には一時的・偶発的に発生する損失が計上されるため、正解の選択肢となります。

 

具体的には、自然災害により生じた損失、固定資産の処分における損失、事業撤退に伴うリストラ費用などが該当します。

選択肢3. 棚卸資産の評価基準としては、個別法、後入先出法、総平均法、移動平均法などが挙げられる。

後入先出法は棚卸資産の評価基準に該当しないため、不適切な選択肢となります。

 

※「後入先出法」とは、店舗などで新しく取得した商品から販売する(払い出す)方式です。そのため、棚卸資産の評価基準としては「先入先出法」(取得した順番に、古いものから商品を販売する)方式が採用されます。

選択肢4. 棚卸資産は原則として期末における時価をもって、貸借対照評価額とすることが求められている。

棚卸資産は原則として期末における取得原価をもって、貸借対照評価額とすることが求められているため不適切な選択肢となります。

まとめ

【補足】

 

会計の一般的な知識が問われており、是非とも正答したい問題です。

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02

「中小企業の会計に関する指針(以下、中小指針)」に関する問題です。

 このテーマは、財務・会計の「制度会計」分野において、数年に一度出題される論点です。

選択肢1. 借り入れた資金で商品を購入した場合、借入日から商品購入日までの利息をその商品の取得原価に算入することができる。

誤りです。

借入利息の取得原価算入について問われています。 

棚卸資産を購入するための借入金利息は、期間費用(営業外費用)として処理します。取得原価に算入できるのは、不動産開発など極めて特殊なケースに限られます。

「利息は費用」という原則は、財務諸表論の基本です。

 

 

選択肢2. 棚卸資産に係る簿価切下額のうち、臨時の事象に起因し、かつ、多額であるものは、損益計算書上、特別損失として表示する。

正解です。

棚卸資産に係る簿価切下額(特損)について問われています。

棚卸資産の評価損は原則として「売上原価」に算入しますが、「臨時の事象(災害や大幅な規格変更など)」に起因し、かつ「多額」である場合に限り、特別損失として計上することが認められています。

 中小指針において、この「特損計上の要件(臨時・多額)」は頻出のひっかけポイントです。

しっかり覚えておきましょう。

選択肢3. 棚卸資産の評価基準としては、個別法、後入先出法、総平均法、移動平均法などが挙げられる。

誤りです。

棚卸資産の評価方法 について問われています。

選択肢にある「後入先出法」は、現在の会計基準(中小指針含む)では廃止されています。

かつては認められていましたが、現在は「国際会計基準との整合性」から認められません。

「今は使えない」という点に気を付けてください。

選択肢4. 棚卸資産は原則として期末における時価をもって、貸借対照評価額とすることが求められている。

誤りです。

棚卸資産の評価基準について問われています。

棚卸資産は「原則として取得原価をもって評価します。

期末に時価が取得原価を下回った場合にのみ、その時価まで切り下げる(低価法)ことが求められます。

 「原則は時価」ではなく「原則は原価(取得価額)」という入れ替えパターンは、財務会計の定番ひっかけです。

まとめ

「中小企業の会計に関する指針」は、大企業の会計基準よりも簡略化されていますが、この「棚卸資産の評価損」のような重要ルールは共通しています。

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