中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問25 (経済学・経済政策 問20)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問25(経済学・経済政策 問20) (訂正依頼・報告はこちら)

下図は、縦軸に所得累積比率、横軸に世帯累積比率をはかったときのローレンツ曲線を示している。
この図に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
問題文の画像
  • aのローレンツ曲線は、所得が1つの世帯に集中している状態を表している。
  • bのローレンツ曲線は、cのローレンツ曲線よりも所得がより不平等に分布している。
  • ローレンツ曲線がcの場合のジニ係数は、ローレンツ曲線がbの場合のジニ係数より大きい値となる。
  • ローレンツ曲線が線分OBAで表される場合、ジニ係数はゼロである。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

ローレンツ曲線とジニ係数に関する問題です。ローレンツ曲線は久し振りの出題(解説のまとめ参照)のため、以下に解説します。

 

・所得や資源の不平等度や集中度を示す2軸のグラフで、縦軸に「所得累積比率」、横軸に「世帯累積比率」をとります。

・完全な所得の平等が実現されている場合は、原点から45度の直線(本問ではOAまたはa)になります。この直線を「均等分布線」といいます。不平等が大きくなるほど、この線から右下方へと曲線が膨らむ(本問ではbとc)状態になります。この曲線を「ローレンツ曲線」といいます。 

・ジニ係数は均等分布線とローレンツ曲線で囲まれた範囲となり、計算式「均等分布線とローレンツ曲線で囲まれた範囲÷△OAB」より0~1の値で示されます。数値が大きい(△OABに近い、またはジニ係数の範囲が大きい)ほど、所得の不平等が大きくなります。

選択肢1. aのローレンツ曲線は、所得が1つの世帯に集中している状態を表している。

冒頭の解説よりa(または直線OA)は均等分布線であり、完全な所得の平等が実現されている状態のため不適切な選択肢となります。

選択肢2. bのローレンツ曲線は、cのローレンツ曲線よりも所得がより不平等に分布している。

bのローレンツ曲線は、cのローレンツ曲線よりも所得がより均等に近い状態で分布しているため不適切な選択肢となります。

選択肢3. ローレンツ曲線がcの場合のジニ係数は、ローレンツ曲線がbの場合のジニ係数より大きい値となる。

冒頭のジニ係数の計算式より、ローレンツ曲線がcの場合のジニ係数は、ローレンツ曲線がbの場合のジニ係数より大きい値となるため正解の選択肢となります。

選択肢4. ローレンツ曲線が線分OBAで表される場合、ジニ係数はゼロである。

冒頭のジニ係数の計算式より、ローレンツ曲線が線分OBAで表される場合、ジニ係数は1である(不平等が最大化されている状態)ため不適切な選択肢となります。

 

まとめ

【補足】

 

ジニ係数は令和4年度の経済学・経済政策第1問(統計問題)に出題されていますが、ローレンツ曲線は平成16年度の出題が最後のようです。

 

ローレンツ曲線は優先して学習する論点ではありませんが、難しくはないので一度解説を確認しておいてください。

参考になった数3