中小企業診断士 過去問
令和5年度 再試験(2023年)
問145 (経営法務 問23)

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問題

中小企業診断士試験 令和5年度 再試験(2023年) 問145(経営法務 問23) (訂正依頼・報告はこちら)

民法が定める解除に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 解除権を有する者がその解除権を有することを知らなかった場合でも、過失によって契約の目的物を返還することができなくなったときは、解除権は、消滅する。
  • 債務者がその債務を履行しない場合において、債権者が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときでも、債権者は、契約の解除をすることができる。
  • 債務の全部の履行が不能である場合でも、当該履行不能が債権者のみの責めに帰すべき事由によるものであるときは、債権者は、契約の解除をすることができない。
  • 当事者の一方がその解除権を行使したときは、第三者の権利を害するとしても、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負い、当該第三者も同様の義務を負う。

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この過去問の解説 (3件)

01

民法が定める解除に関する問題です。

選択肢1. 解除権を有する者がその解除権を有することを知らなかった場合でも、過失によって契約の目的物を返還することができなくなったときは、解除権は、消滅する。

過失によって契約の目的物を返還することができなくなったときは、解除権は消滅します。

 

ただし、「解除権を有する者がその解除権を有することを知らなかった場合」は、この限りではありません

選択肢2. 債務者がその債務を履行しない場合において、債権者が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときでも、債権者は、契約の解除をすることができる。

債務者がその債務を履行しない場合において、債権者が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、債権者は、契約の解除をすることができます。

 

ただし、「債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるとき」は、この限りではありません

選択肢3. 債務の全部の履行が不能である場合でも、当該履行不能が債権者のみの責めに帰すべき事由によるものであるときは、債権者は、契約の解除をすることができない。

正解の選択肢となります。

選択肢4. 当事者の一方がその解除権を行使したときは、第三者の権利を害するとしても、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負い、当該第三者も同様の義務を負う。

当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負います。ただし、その義務は第三者には及びません

 

本選択肢は、第三者の立場になって考えてみましょう。解除権を行使されて第三者としての権利を害された上に、原状回復義務までを負わされる義務があるとすれば、理不尽であるとしか思えません。

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02

民法が定める解除に関する問題です。

選択肢1. 解除権を有する者がその解除権を有することを知らなかった場合でも、過失によって契約の目的物を返還することができなくなったときは、解除権は、消滅する。

解除権を有する者がその解除権を有することを知らなかった場合は、過失によって契約の目的物を返還することができなくなっても解除権は、消滅しません。

選択肢2. 債務者がその債務を履行しない場合において、債権者が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときでも、債権者は、契約の解除をすることができる。

債務者がその債務を履行しない場合において、債権者が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がなければ、契約を解除できます。但し、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微である場合には、債権者は契約の解除をすることができません。

選択肢3. 債務の全部の履行が不能である場合でも、当該履行不能が債権者のみの責めに帰すべき事由によるものであるときは、債権者は、契約の解除をすることができない。

適切な選択肢です。

選択肢4. 当事者の一方がその解除権を行使したときは、第三者の権利を害するとしても、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負い、当該第三者も同様の義務を負う。

当事者の一方がその解除権を行使したときは、第三者の権利を害するとしても、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負いますが、当該第三者は同様の義務を負うわけではありません。

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03

この問題は、民法における契約の解除に関する基本的なルールと効果について理解度を問うものです。

解説を見ながら問題を確認していきましょう。

選択肢1. 解除権を有する者がその解除権を有することを知らなかった場合でも、過失によって契約の目的物を返還することができなくなったときは、解除権は、消滅する。

不適切な選択肢です

 

解除権を有する者がその解除権を有することを知らなかった場合、過失によって契約の目的物を返還することができなくなったときでも、解除権は消滅しません。民法548条1項1号ただし書により、解除権を有することを知らなかったときは、過失によって目的物を返還できなくなった場合でも解除権は消滅しないとされています。善意の解除権者を保護する趣旨です。したがって「解除権は消滅する」という記述は誤りです。
 

選択肢2. 債務者がその債務を履行しない場合において、債権者が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときでも、債権者は、契約の解除をすることができる。

不適切な選択肢です

 

債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、債権者は契約の解除をすることができません。民法541条ただし書により、相当の期間を定めて履行の催告をし、その期間内に履行がない場合でも、債務不履行が軽微である場合は解除できないとされています。これは些細な不履行で契約を解除できないようにする趣旨です。したがって「軽微であるときでも解除できる」という記述は誤りです。
 

選択肢3. 債務の全部の履行が不能である場合でも、当該履行不能が債権者のみの責めに帰すべき事由によるものであるときは、債権者は、契約の解除をすることができない。

適切な選択肢です

 

これが正しい記述です。民法543条により、債務の全部の履行が不能である場合でも、その履行不能が債権者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、債権者は契約の解除をすることができません。自らの責任で履行不能にしておきながら契約を解除することは信義則に反するため、認められません。

選択肢4. 当事者の一方がその解除権を行使したときは、第三者の権利を害するとしても、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負い、当該第三者も同様の義務を負う。

不適切な選択肢です

 

当事者の一方が解除権を行使したときは、各当事者は相手方を原状に復させる義務を負いますが、この義務は第三者には及びません。民法545条1項により、解除は当事者間で原状回復義務を発生させますが、同条2項により解除は善意の第三者に対抗することができないとされています。第三者は原状回復義務を負いません。したがって「当該第三者も同様の義務を負う」という記述は誤りです。
 

まとめ

今回の問題で出てきた条例のまとめです

 

解除権の消滅(民法548条)

過失による目的物の滅失・損傷→解除権消滅
ただし、解除権を知らなかった場合→解除権は消滅しない

 

債務不履行による解除(民法541条)

相当期間の催告+期間内不履行→解除可能
ただし、不履行が軽微な場合→解除不可

 

債権者の帰責事由(民法543条)

債権者の帰責事由による履行不能→解除不可

 

解除の効果(民法545条)

当事者間:原状回復義務
第三者:善意の第三者に対抗不可

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