中小企業診断士 過去問
令和5年度 再試験(2023年)
問144 (経営法務 問22)

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問題

中小企業診断士試験 令和5年度 再試験(2023年) 問144(経営法務 問22) (訂正依頼・報告はこちら)

民法が定める債権譲渡に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 債権が二重に譲渡された場合、譲受人相互の間の優劣は、通知又は承諾に付された確定日付の先後によって定められるのではなく、確定日付のある通知が債務者に到達した日時又は確定日付のある債務者の承諾の日時の先後によって決せられる。
  • 債権の譲渡は、譲渡人が債務者に確定日付のある証書によって通知をし、又は債務者が確定日付のある証書によって承諾をしなければ、債務者に対抗することができない。
  • 債権の譲渡は、その意思表示の時に債権が現に発生していることを要する。
  • 被差押債権の債務者は、同債権の債権者に対して反対債権を有していた場合、反対債権の弁済期が被差押債権の弁済期よりも先に到来するときに限って相殺することができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

債権譲渡および相殺に関する問題です。

選択肢1. 債権が二重に譲渡された場合、譲受人相互の間の優劣は、通知又は承諾に付された確定日付の先後によって定められるのではなく、確定日付のある通知が債務者に到達した日時又は確定日付のある債務者の承諾の日時の先後によって決せられる。

正解の選択肢となります。

選択肢2. 債権の譲渡は、譲渡人が債務者に確定日付のある証書によって通知をし、又は債務者が確定日付のある証書によって承諾をしなければ、債務者に対抗することができない。

債権の譲渡は、譲渡人が債務者に確定日付のある証書によって通知をしなければ、債務者に対抗することができません。

 

つまり、「確定日付のある証書によって承諾」することまでは求められていません

選択肢3. 債権の譲渡は、その意思表示の時に債権が現に発生していることを要する。

債権の譲渡は、その意思表示の時に債権が現に発生していることを要しません

選択肢4. 被差押債権の債務者は、同債権の債権者に対して反対債権を有していた場合、反対債権の弁済期が被差押債権の弁済期よりも先に到来するときに限って相殺することができる。

被差押債権の債務者は、同債権の債権者に対して反対債権を有していた場合、反対債権の弁済期が被差押債権の弁済期よりも先に到来していれば相殺することができます。

 

本選択肢は、「被差押債権」を受働債権、「反対債権」を自働債権と言い換えれば理解しやすくなります。つまり、自働債権が受働債権よりも先に弁済期を迎えていれば相殺できる、ということです。

 

また、相殺の理解が難しい場合でも、「~に限って」という表現に違和感を感じて排除することができれば望ましいです。

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02

債権譲渡に関する問題です。

選択肢1. 債権が二重に譲渡された場合、譲受人相互の間の優劣は、通知又は承諾に付された確定日付の先後によって定められるのではなく、確定日付のある通知が債務者に到達した日時又は確定日付のある債務者の承諾の日時の先後によって決せられる。

適切な選択肢です。

選択肢2. 債権の譲渡は、譲渡人が債務者に確定日付のある証書によって通知をし、又は債務者が確定日付のある証書によって承諾をしなければ、債務者に対抗することができない。

債権の譲渡は、譲渡人が債務者に確定日付のある証書によって通知をし、又は債務者が確定日付のある証書によって承諾をしなければ、債務者以外の第3者に対抗することができません。

選択肢3. 債権の譲渡は、その意思表示の時に債権が現に発生していることを要する。

債権の譲渡は、その意思表示の時に債権が現に発生していることを要しません。

選択肢4. 被差押債権の債務者は、同債権の債権者に対して反対債権を有していた場合、反対債権の弁済期が被差押債権の弁済期よりも先に到来するときに限って相殺することができる。

被差押債権の債務者は、同債権の債権者に対して反対債権を有していた場合、差押え前に取得した債権であれば、弁済期の前後を問わず相殺することができます。差押え前の原因に基づいて生じた債権であれば相殺が可能です。

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03

この問題は、民法における「債権譲渡」および「相殺」に関する基礎知識を問うものです。

解説を見ながら問題を確認していきましょう。

選択肢1. 債権が二重に譲渡された場合、譲受人相互の間の優劣は、通知又は承諾に付された確定日付の先後によって定められるのではなく、確定日付のある通知が債務者に到達した日時又は確定日付のある債務者の承諾の日時の先後によって決せられる。

適切な選択肢です

 

債権が二重に譲渡された場合、譲受人同士(買った人同士)のどちらが勝つかは、単にハガキ(通知)にスタンプされた「確定日付」の早さでは決まりません。
正解は、「確定日付のある通知が債務者に届いた日時」、または「確定日付のある承諾を債務者がした日時」の先後で決まります。つまり、先に債務者の手元に届いた(あるいは承諾させた)方が勝ちとなります。

選択肢2. 債権の譲渡は、譲渡人が債務者に確定日付のある証書によって通知をし、又は債務者が確定日付のある証書によって承諾をしなければ、債務者に対抗することができない。

不適切な選択肢です

 

この記述は「債務者に対抗することができない」としている点が誤りです。
債権譲渡を「債務者本人」に認めてもらう(対抗する)ためには、単なる通知や承諾があれば十分で、必ずしも「確定日付のある証書」である必要はありません。
「確定日付のある証書」が必要になるのは、二重譲渡の譲受人や差押債権者といった「債務者以外の第三者」に対抗する場合です。

選択肢3. 債権の譲渡は、その意思表示の時に債権が現に発生していることを要する。

不適切な選択肢です

 

民法改正により、「将来債権の譲渡」が明文化されました。
そのため、譲渡の意思表示をした瞬間にその債権がまだ発生していなくても(例:来月の売掛金など)、その譲渡契約は有効に成立します。「現に発生していること」を条件とはしません。

選択肢4. 被差押債権の債務者は、同債権の債権者に対して反対債権を有していた場合、反対債権の弁済期が被差押債権の弁済期よりも先に到来するときに限って相殺することができる。

不適切な選択肢です

 

「反対債権の弁済期が先に到来するときに限って」という制限が誤りです。
差押えを受けた債務者は、差押えを受ける前から持っていた債権(反対債権)であれば、たとえ自分の債権の期限が後から来るものであっても、相殺して支払いを拒むことができます。また、差押え後に取得した債権であっても、差押え前の原因に基づいて生じたものであれば相殺可能です。

まとめ

本問は、経営法務における「民法(債権法)」の範囲です。

特に「債権譲渡の対抗要件(民法467条)」と「差押えと相殺(民法511条)」は、実務的にも重要度が高いため頻出します。確認して正確に答えられるようにしましょう。

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