中小企業診断士 過去問
平成27年度(2015年)
問60 (企業経営理論 問9)
問題文
社外の企業や研究機関と連携して展開されるイノベーションが注目されている。そのようなイノベーションへの対応や課題に関する記述として、最も適切なものはどれか。
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問題
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中小企業診断士試験 平成27年度(2015年) 問60(企業経営理論 問9) (訂正依頼・報告はこちら)
社外の企業や研究機関と連携して展開されるイノベーションが注目されている。そのようなイノベーションへの対応や課題に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- NIH(Not Invented Here)現象と呼ばれる社外技術の活用への抵抗の主な理由は、社外技術への不信感や予算削減への抵抗ではなく、自社技術への強い自信にある。
- 新しいモノ好きのリードユーザー(先端顧客)からの製品情報は、技術的な裏付けを欠くので、イノベーションのアイデアとして評価するにとどめる。
- 自社の経営資源を社外に開放して活用することによって、知的財産権からの収入やジョイントベンチャー設置による事業収入などの多様な収益源を確保できる可能性が生まれる。
- 製品が市場に出るまでの時間や製品のライフサイクルが短くなるにつれて、研究開発部門への技術人材や資金の投入が効果的でなくなるので、他社とのオープンな技術交流による研究開発にそれらを集中的に投入しなければならない。
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この過去問の解説 (3件)
01
NIHは「ここで発明したものではない」という意味です。自社技術への強い自信に理由があるのではなく、単純に自社の技術ではないということが社外技術を活用しない理由であるといえます。
2:不適切です。
リードユーザーは多くのユーザーに先行していることから、イノベーションの主体となる可能性が高いと考えられます。アイデアとして評価するだけではなく、重要な意見として製品開発等に取り入れたほうがイノベーションにつながる可能性が高いといえます。
3:適切です。
記述の通りです。社内だけでイノベーションを検討するよりも外部との連携が重要であるといえます。
4:不適切です。
製品が市場に出るまでの時間や製品のライフサイクルが短くなれば、研究開発部門はより迅速な技術開発が必要となるため資金投入が必要と言えます。他社とのオープンな技術交流による研究開発においても自社技術への投資は重要であると考えられます。
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02
イノベーションへの対応や課題に関する問題です。
不適切です。
NIH(Not Invented Here)現象は、自社技術への強い自信ではなく、他社のものを使用したくないという理由で、社外技術を活用しないことです。
不適切です。
リードユーザーは新しいモノ好きとして様々な情報を保有していると考えらるので、貴重な意見として受け入れるべきです。
適切です。
不適切です。
製品が市場に出るまでの時間や製品のライフサイクルが短くなると、研究開発部門への技術人材や資金の投入が必要となります。
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03
正しい選択肢は「自社の経営資源を社外に開放して活用することによって、知的財産権からの収入やジョイントベンチャー設置による事業収入などの多様な収益源を確保できる可能性が生まれる。」です。
今回の問題では、オープン・イノベーションの特徴と、そのメリットや課題を理解することが重要です。
オープン・イノベーションとは、自社だけで研究開発を進めるのではなく、社外の企業や大学、研究機関などと連携し、新しい技術や製品、サービスを生み出す取り組みです。
オープン・イノベーションでは、社外の技術や知識を自社に取り入れるだけでなく、自社の技術や知的財産を社外に提供し、新たな収益を得ることも重要です。
例えば、自社の特許技術を他社に利用させてライセンス収入を得たり、他社と共同で新しい会社を設立して事業を展開したりする方法があります。
このように、社外との連携によって新たな収益源を確保できることが、オープン・イノベーションのメリットの1つです。
この記述は誤りです。
NIH(Not Invented Here)現象とは、自社以外で開発された技術やアイデアを受け入れようとしない傾向のことです。
例えば、自社の研究者が「外部の技術よりも、自分たちが開発した技術の方が優れている」と考え、社外の技術を活用しない場合などが該当します。
しかし、NIH現象が起こる理由は、自社技術への強い自信だけではありません。
社外技術への不信感や、自社の研究開発予算・人員が削減されることへの抵抗なども原因になります。
したがって、これらの理由を否定し、自社技術への自信だけを重視している点が誤りです。
この記述は誤りです。
リードユーザーとは、一般の顧客よりも早く新しいニーズに直面し、その解決に強い関心を持っている顧客のことです。
リードユーザーは、既存の商品では満足できず、自分で製品を改良したり、新しい使い方を考えたりする場合があります。
そのため、リードユーザーが持つ情報には、新製品のアイデアだけでなく、実用的な技術や具体的な解決方法が含まれていることもあります。
例えば、スポーツ用品を使う上級者が、使いやすさを高めるために独自の改良を加え、それが新製品の開発につながる場合があります。
したがって、リードユーザーから得られる情報を、技術的な裏付けのないアイデアとしてしか評価しない点が誤りです。
この記述が正しいです。
オープン・イノベーションでは、社外の技術を自社に取り入れるだけでなく、自社の技術や知的財産を社外で活用することも行います。
例えば、自社が保有する特許技術を他社に利用させ、その対価としてライセンス収入を得ることができます。
また、ほかの企業と共同でジョイントベンチャー(合弁企業)を設立し、新しい事業を展開することも可能です。
ジョイントベンチャーとは、複数の企業が共同で出資して設立する会社のことです。
このように、自社だけでは活用しきれない技術や経営資源を社外で利用することで、新たな収益機会が生まれます。
つまり、自社の経営資源を社外に開放することは、収益源の多様化につながります。
したがって、この選択肢が正しいです。
この記述は誤りです。
製品ライフサイクルとは、製品が市場に登場してから、成長・成熟し、やがて需要が減少するまでの流れのことです。
製品ライフサイクルが短くなると、企業は短期間で新しい製品を開発する必要があります。
そのため、社外の企業や研究機関と連携し、技術開発のスピードを高めることは有効です。
しかし、社内の研究開発が効果的でなくなるわけではありません。
自社独自の技術を維持したり、外部から取り入れた技術を評価・活用したりするためには、社内の研究開発能力も重要です。
また、技術人材や資金をすべて社外との共同研究に集中させる必要もありません。
自社で開発すべき技術と、社外の技術を活用すべき分野を見極めることが大切です。
したがって、社内の研究開発が効果的でなくなり、経営資源を社外との技術交流に集中させなければならないという部分が誤りです。
今回の問題では、オープン・イノベーションのメリットと、社外技術を活用する際の課題を理解することが重要です。
<オープン・イノベーション>
社外の企業や大学、研究機関などと連携し、新しい技術や製品を開発する取り組みです。
主に次の2つの方向があります。
インバウンド型:社外の技術や知識を自社に取り入れる方法です。
アウトバウンド型:自社の技術や知的財産を社外で活用する方法です。
<NIH現象>
社外で開発された技術やアイデアを受け入れようとしない傾向です。
自社技術への自信だけでなく、外部技術への不信感や組織内の利害関係なども原因になります。
<リードユーザー>
一般の顧客よりも早く新しいニーズに直面する顧客です。
新製品のアイデアだけでなく、技術的な解決方法を持っている場合もあります。
<今回の重要ポイント>
オープン・イノベーションでは、社外の技術を取り入れるだけでなく、自社の技術を社外に提供して収益を得ることもできます。
また、社外との連携を進める場合でも、自社の研究開発能力を維持することが重要です。
試験では、「インバウンド型は社外技術の取り込み」「アウトバウンド型は自社技術の社外活用」「NIH現象は外部技術への抵抗」という3つのポイントを覚えておきましょう。
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