中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問19 (経済学・経済政策 問19)
問題文
発足当初に巨額の設備投資が必要な産業は、「費用逓減産業」と呼ばれることがある。
下図には、この種の企業が提供するサービスに対する需要曲線D、限界収入曲線MR、平均費用曲線ACおよび限界費用曲線MCが描かれている。
この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の選択肢から選べ。
a パレート効率が実現する価格と生産量の組み合わせは、P3とQ3である。
b 企業の利潤最大化が実現する価格と生産量の組み合わせは、P1とQ1である。
c 価格と生産量がそれぞれP2とQ2であるとき、生産者余剰はゼロである。
d 価格と生産量がそれぞれP3とQ3であるとき、この企業には固定費用に等しい損失が発生する。
下図には、この種の企業が提供するサービスに対する需要曲線D、限界収入曲線MR、平均費用曲線ACおよび限界費用曲線MCが描かれている。
この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の選択肢から選べ。
a パレート効率が実現する価格と生産量の組み合わせは、P3とQ3である。
b 企業の利潤最大化が実現する価格と生産量の組み合わせは、P1とQ1である。
c 価格と生産量がそれぞれP2とQ2であるとき、生産者余剰はゼロである。
d 価格と生産量がそれぞれP3とQ3であるとき、この企業には固定費用に等しい損失が発生する。
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問題
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中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問19(経済学・経済政策 問19) (訂正依頼・報告はこちら)
発足当初に巨額の設備投資が必要な産業は、「費用逓減産業」と呼ばれることがある。
下図には、この種の企業が提供するサービスに対する需要曲線D、限界収入曲線MR、平均費用曲線ACおよび限界費用曲線MCが描かれている。
この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の選択肢から選べ。
a パレート効率が実現する価格と生産量の組み合わせは、P3とQ3である。
b 企業の利潤最大化が実現する価格と生産量の組み合わせは、P1とQ1である。
c 価格と生産量がそれぞれP2とQ2であるとき、生産者余剰はゼロである。
d 価格と生産量がそれぞれP3とQ3であるとき、この企業には固定費用に等しい損失が発生する。
下図には、この種の企業が提供するサービスに対する需要曲線D、限界収入曲線MR、平均費用曲線ACおよび限界費用曲線MCが描かれている。
この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の選択肢から選べ。
a パレート効率が実現する価格と生産量の組み合わせは、P3とQ3である。
b 企業の利潤最大化が実現する価格と生産量の組み合わせは、P1とQ1である。
c 価格と生産量がそれぞれP2とQ2であるとき、生産者余剰はゼロである。
d 価格と生産量がそれぞれP3とQ3であるとき、この企業には固定費用に等しい損失が発生する。
- a:正 b:正 c:正 d:正
- a:正 b:正 c:誤 d:正
- a:正 b:誤 c:誤 d:正
- a:誤 b:正 c:正 d:誤
- a:誤 b:誤 c:正 d:誤
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この過去問の解説 (1件)
01
正しい組み合わせは「a:正 b:正 c:誤 d:正」です。
この問題では、費用逓減産業について、社会全体にとって効率的な生産量、企業が利潤を最大にする生産量、平均費用と限界費用の関係を区別することがポイントです。
図では、
・需要曲線Dと限界費用曲線MCが交わるのがP3・Q3
・限界収入曲線MRと限界費用曲線MCが交わるのがQ1で、そのとき需要曲線D上の価格がP1
・需要曲線Dと平均費用曲線ACが交わるのがP2・Q2
となっています。
したがって、
a:正
b:正
c:誤
d:正
となります。
a パレート効率が実現する価格と生産量の組み合わせは、P3とQ3である。
正しい記述です。
社会全体にとって効率的な生産量は、消費者が追加の1単位に感じる価値と、その1単位を追加生産する費用が等しくなるところです。
需要曲線Dは消費者が支払ってもよい価格を、限界費用曲線MCは追加で1単位生産するための費用を表しています。
したがって、DとMCが交わるところがパレート効率的な生産量です。
図ではDとMCがP3・Q3で交わっているため、aは正しい記述です。
b 企業の利潤最大化が実現する価格と生産量の組み合わせは、P1とQ1である。
正しい記述です。
企業が利潤を最大にする生産量は、
限界収入MR=限界費用MC
となるところで決まります。
図ではMRとMCがQ1で交わっています。
企業はQ1だけ生産し、その生産量を販売できる価格を需要曲線Dから読み取ります。
Q1に対応する需要曲線D上の価格はP1です。
したがって、利潤最大化となる組み合わせはP1とQ1です。
c 価格と生産量がそれぞれP2とQ2であるとき、生産者余剰はゼロである。
誤りです。
P2・Q2では、需要曲線Dと平均費用曲線ACが交わっています。
つまり、
価格P2=平均費用AC
となっています。
このとき、
総収入=総費用
なので、企業の利潤はゼロです。
しかし、「利潤がゼロ」と「生産者余剰がゼロ」は同じではありません。
生産者余剰は、簡単にいえば総収入から可変費用を差し引いたものです。
利潤がゼロの場合でも、総収入によって可変費用だけでなく固定費用も回収できています。そのため、生産者余剰は固定費用に相当する分だけ存在します。
したがって、ゼロになるのは利潤であり、生産者余剰ではありません。
d 価格と生産量がそれぞれP3とQ3であるとき、この企業には固定費用に等しい損失が発生する。
正しい記述です。
図では限界費用MCがP3の高さで水平になっています。
P3・Q3では、
価格P3=限界費用MC
です。
この図では限界費用が一定なので、生産量に応じて発生する可変費用も1単位当たりP3と考えることができます。
そのため、P3で販売して得られる収入によって、可変費用はちょうどまかなえます。
一方、巨額の設備投資などによって生じた固定費用は回収できません。
したがって、この場合に企業が負担する損失は固定費用に等しくなります。
費用逓減産業では、次の3つを区別することが重要です。
企業の利潤最大化は、
MR=MC
となるQ1で決まり、価格は需要曲線DからP1となります。
利益がちょうどゼロになるのは、
P=AC
となるP2・Q2です。ただし、このとき生産者余剰までゼロになるわけではありません。
社会全体として効率的なのは、
P=MC
となるP3・Q3です。ただし、費用逓減産業ではこの価格では平均費用を下回るため、企業には損失が発生します。この図では、その損失は固定費用に等しくなります。
したがって、正しい組み合わせは、
a:正
b:正
c:誤
d:正
です。
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