中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問12 (経済学・経済政策 問12)
問題文
下図は、労働市場の自由化に伴う2国間の労働移動の効果を示したものである。なお、生産要素は労働と資本であり、労働移動が生じた場合でも労働者の国籍は変わらないものとする。ここでMPLは労働の限界生産物を、Wは労働1単位当たりの賃金率を表している。当初、Ⅰ国の労働量はOⅠC、Ⅱ国のそれはOⅡCであり、Ⅰ国の賃金率はWⅠ、Ⅱ国のそれはWⅡである。さらに、Ⅰ国の労働の限界生産物曲線はMPLⅠ、Ⅱ国のそれはMPLⅡである。
この図から読み取れる記述の組み合わせとして、最も適切なものを下記の選択肢から選べ。
a 労働移動自由化前のⅡ国において、労働者の賃金所得は四角形OⅡWⅡFC、資本所有者の資本所得は三角形BFWⅡである。
b 労働移動の自由化によって、世界全体で三角形EFGだけ生産・所得が増加する。
c Ⅱ国の資本所有者の資本所得は、労働移動自由化後の方が小さい。
d Ⅱ国の労働者の賃金所得は、労働移動自由化後の方が大きい。
この図から読み取れる記述の組み合わせとして、最も適切なものを下記の選択肢から選べ。
a 労働移動自由化前のⅡ国において、労働者の賃金所得は四角形OⅡWⅡFC、資本所有者の資本所得は三角形BFWⅡである。
b 労働移動の自由化によって、世界全体で三角形EFGだけ生産・所得が増加する。
c Ⅱ国の資本所有者の資本所得は、労働移動自由化後の方が小さい。
d Ⅱ国の労働者の賃金所得は、労働移動自由化後の方が大きい。
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問題
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中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問12(経済学・経済政策 問12) (訂正依頼・報告はこちら)
下図は、労働市場の自由化に伴う2国間の労働移動の効果を示したものである。なお、生産要素は労働と資本であり、労働移動が生じた場合でも労働者の国籍は変わらないものとする。ここでMPLは労働の限界生産物を、Wは労働1単位当たりの賃金率を表している。当初、Ⅰ国の労働量はOⅠC、Ⅱ国のそれはOⅡCであり、Ⅰ国の賃金率はWⅠ、Ⅱ国のそれはWⅡである。さらに、Ⅰ国の労働の限界生産物曲線はMPLⅠ、Ⅱ国のそれはMPLⅡである。
この図から読み取れる記述の組み合わせとして、最も適切なものを下記の選択肢から選べ。
a 労働移動自由化前のⅡ国において、労働者の賃金所得は四角形OⅡWⅡFC、資本所有者の資本所得は三角形BFWⅡである。
b 労働移動の自由化によって、世界全体で三角形EFGだけ生産・所得が増加する。
c Ⅱ国の資本所有者の資本所得は、労働移動自由化後の方が小さい。
d Ⅱ国の労働者の賃金所得は、労働移動自由化後の方が大きい。
この図から読み取れる記述の組み合わせとして、最も適切なものを下記の選択肢から選べ。
a 労働移動自由化前のⅡ国において、労働者の賃金所得は四角形OⅡWⅡFC、資本所有者の資本所得は三角形BFWⅡである。
b 労働移動の自由化によって、世界全体で三角形EFGだけ生産・所得が増加する。
c Ⅱ国の資本所有者の資本所得は、労働移動自由化後の方が小さい。
d Ⅱ国の労働者の賃金所得は、労働移動自由化後の方が大きい。
- aとb
- aとc
- bとc
- cとd
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この過去問の解説 (1件)
01
正しい組み合わせは「aとb」です。
この問題では、まず労働者がどちらの国へ移動するかを考えることがポイントです。
自由化前は、Ⅰ国の賃金率がWⅠ、Ⅱ国の賃金率がWⅡで、図から
WⅠ<WⅡ
となっています。
そのため、より高い賃金を求めて、労働者はⅠ国からⅡ国へ移動します。労働移動は、両国の賃金率が等しくなるEの位置まで続きます。図では、国境となる位置がCからDへ移ることで表されています。
したがって、
a:正
b:正
c:誤
d:誤
となります。
a 労働移動自由化前のⅡ国において、労働者の賃金所得は四角形OⅡWⅡFC、資本所有者の資本所得は三角形BFWⅡである。
正しい記述です。
自由化前のⅡ国では、労働量はOⅡC、賃金率はWⅡです。
労働者全体が受け取る賃金所得は、
賃金率×労働量
で表されます。
したがって、図では四角形OⅡWⅡFCがⅡ国の労働者の賃金所得になります。
一方、Ⅱ国の国内生産量は、MPLⅡの下側の面積で表されます。
その国内生産量から労働者の賃金所得を差し引いた残りが資本所有者の資本所得となるため、三角形BFWⅡが資本所得です。
したがって、aは正しい記述です。
b 労働移動の自由化によって、世界全体で三角形EFGだけ生産・所得が増加する。
正しい記述です。
自由化前はⅡ国の賃金率がⅠ国より高いため、Ⅰ国からⅡ国へ労働者が移動します。
図では、労働の境目がCからDへ移ります。
このときⅠ国では労働者が減るため生産量が減少しますが、Ⅱ国では労働者が増えるため生産量が増加します。
重要なのは、移動した労働者について、Ⅱ国で生み出す追加的な生産量のほうが、Ⅰ国で失われる生産量より大きいことです。
その差が図の三角形EFGです。
したがって、労働者がより生産性の高い国へ移動することで、世界全体の生産量・所得は三角形EFGの分だけ増加します。
c Ⅱ国の資本所有者の資本所得は、労働移動自由化後の方が小さい。
誤りです。
Ⅱ国にはⅠ国から労働者が流入するため、Ⅱ国の労働量は増加します。
その結果、Ⅱ国の賃金率はWⅡからEの高さまで低下します。
賃金率が低下すると、Ⅱ国の資本所有者が労働者へ支払う賃金の負担が1人当たりで小さくなります。さらに、労働者が増えることでⅡ国の生産量も増加します。
そのため、Ⅱ国の資本所有者が受け取る資本所得は、自由化前より増加します。
したがって、「小さい」という記述は逆です。
d Ⅱ国の労働者の賃金所得は、労働移動自由化後の方が大きい。
誤りです。
この問題では、労働者が移動しても国籍は変わらないとされています。
つまり、Ⅰ国からⅡ国へ移った労働者は、Ⅱ国で働くようになってもⅠ国の労働者のままです。
もともとのⅡ国の労働者の人数は変わりませんが、労働者の流入によってⅡ国の賃金率は、
WⅡからEの高さへ
低下します。
したがって、Ⅱ国のもともとの労働者は、同じ人数でありながら1人当たりの賃金が下がるため、Ⅱ国の労働者の賃金所得は減少します。
そのため、dは誤りです。
この問題では、まず賃金率の低いⅠ国から、賃金率の高いⅡ国へ労働者が移動することを押さえます。
自由化前のⅡ国では、労働者の賃金所得が四角形OⅡWⅡFC、資本所有者の資本所得が三角形BFWⅡとなるため、aは正しい記述です。
また、労働者が生産性の低いⅠ国から生産性の高いⅡ国へ移動することで、世界全体では三角形EFGの分だけ生産量・所得が増加するため、bも正しい記述です。
一方、Ⅱ国では労働者の流入によって賃金率が低下するため、資本所有者の所得は増加し、もともとのⅡ国の労働者の賃金所得は減少します。
したがって、正しい組み合わせは「aとb」です。
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