中小企業診断士 過去問
令和6年度(2024年)
問44 (財務・会計 問18)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

中小企業診断士試験 令和6年度(2024年) 問44(財務・会計 問18) (訂正依頼・報告はこちら)

投資プロジェクトの経済性評価に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 過去に購入した施設をプロジェクトに利用する場合、当該施設への過去の支出は、投資プロジェクトの評価において考慮してはならない。
  • 既存機械を売却して新型機械を導入するプロジェクトの評価において、既存機械の売却見積額を考慮してはならない。
  • 現在未利用の施設をプロジェクトに利用する場合、他に賃貸した場合の賃貸料収入は、投資プロジェクトの評価において考慮してはならない。
  • 新製品プロジェクトにおいて、既存製品から新製品に顧客が移る、すなわち、「乗り換え」の影響を考慮してはならない。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

投資プロジェクトの経済性評価に関する問題です。

選択肢1. 過去に購入した施設をプロジェクトに利用する場合、当該施設への過去の支出は、投資プロジェクトの評価において考慮してはならない。

過去に購入した施設への支出は回収不能であるため、当該施設への過去の支出は投資プロジェクトの評価において考慮してはなりません

 

したがって、正解の選択肢となります。

選択肢2. 既存機械を売却して新型機械を導入するプロジェクトの評価において、既存機械の売却見積額を考慮してはならない。

既存機械を売却して得られる利益よりも、新型機械を導入して得られる利益が下回ると想定される場合は、収益に悪影響を及ぼすおそれがあるため、既存機械の売却見積額を考慮しなければなりません。

 

したがって、不適切な選択肢です。

選択肢3. 現在未利用の施設をプロジェクトに利用する場合、他に賃貸した場合の賃貸料収入は、投資プロジェクトの評価において考慮してはならない。

現在未利用の施設をプロジェクトに利用して得られる収入が、他に賃貸した場合の賃貸料収入よりも下回ると想定される場合は、他に賃貸したほうが望ましいため、他に賃貸した場合の賃貸料収入は投資プロジェクトの評価において考慮しなければなりません。

 

したがって、不適切な選択肢です。

選択肢4. 新製品プロジェクトにおいて、既存製品から新製品に顧客が移る、すなわち、「乗り換え」の影響を考慮してはならない。

新製品プロジェクトにおいて、既存製品から新製品への「乗り換え」顧客が減少すると収益に悪影響を及ぼすおそれがあるため、乗り換えの影響を考慮しなければなりません。

 

したがって、不適切な選択肢です。

参考になった数31

02

経済性評価とは、投資プロジェクトの費用対効果を評価することです。

 

経済性評価では、これから投資プロジェクトを実施することで発生する事象や支出・収入は考慮しますが、過去に発生した事象や支出・収入は考慮しません。

選択肢1. 過去に購入した施設をプロジェクトに利用する場合、当該施設への過去の支出は、投資プロジェクトの評価において考慮してはならない。

過去の支出は考慮しないので正しい選択肢です。

選択肢2. 既存機械を売却して新型機械を導入するプロジェクトの評価において、既存機械の売却見積額を考慮してはならない。

既存機械の売却見積額はプロジェクトを実施することで発生する収入であるため考慮する必要があります。

そのため誤った選択肢です。

選択肢3. 現在未利用の施設をプロジェクトに利用する場合、他に賃貸した場合の賃貸料収入は、投資プロジェクトの評価において考慮してはならない。

賃貸料収入はプロジェクトを実施することで発生する収入であるため考慮する必要があります。

そのため誤った選択肢です。

選択肢4. 新製品プロジェクトにおいて、既存製品から新製品に顧客が移る、すなわち、「乗り換え」の影響を考慮してはならない。

乗り換えはプロジェクトを実施することで発生する事象であるため考慮する必要があります。

そのため誤った選択肢です。

参考になった数11

03

投資プロジェクトの経済性評価(NPV・IRRなど)では、意思決定に影響する将来の増分キャッシュ・フローのみを対象とします。過去に支出して回収不能な費用はサンクコストとして除外し、一方で代替案を選んだ場合に得られたはずの収入(機会費用)や、既存事業への悪影響(カニバリゼーション=乗り換え)は増分として織り込みます。この原則に照らして判断します。

 

選択肢1. 過去に購入した施設をプロジェクトに利用する場合、当該施設への過去の支出は、投資プロジェクトの評価において考慮してはならない。

適切
過去に購入した施設の取得支出は、すでに支出済みで回収不能なサンクコストであり、プロジェクト採否の判断には影響しないため、評価において考慮しません。

選択肢2. 既存機械を売却して新型機械を導入するプロジェクトの評価において、既存機械の売却見積額を考慮してはならない。

不適切
既存機械を売却できるなら、その売却額はプロジェクト実施により得られる増分キャッシュ・フロー(初期投資の減額要因)なので、考慮すべきです。

選択肢3. 現在未利用の施設をプロジェクトに利用する場合、他に賃貸した場合の賃貸料収入は、投資プロジェクトの評価において考慮してはならない。

不適切
未利用施設をプロジェクトに使う場合、賃貸すれば得られた賃料収入は機会費用であり、失われる増分として評価に含めるべきです。

選択肢4. 新製品プロジェクトにおいて、既存製品から新製品に顧客が移る、すなわち、「乗り換え」の影響を考慮してはならない。

不適切
新製品が既存製品の売上を奪う「乗り換え(カニバリゼーション)」は既存事業の利益減を生むため、増分キャッシュ・フローとして考慮すべきです。

まとめ

投資評価は将来の増分キャッシュ・フローに基づき、サンクコストは除外します。一方、既存資産の売却収入、未利用資産の賃貸による機会費用、既存製品のカニバリゼーションなどは意思決定で変わる要素なので必ず織り込みます。

参考になった数1