中小企業診断士 過去問
令和5年度 再試験(2023年)
問147 (経営法務 問25)

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問題

中小企業診断士試験 令和5年度 再試験(2023年) 問147(経営法務 問25) (訂正依頼・報告はこちら)

民法が定める遺言に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 遺言は、2人以上の者が同一の証書ですることができる。
  • 自筆証書によって遺言をする場合、これと一体のものとして相続財産目録を添付する場合、その目録については、他人に依頼してパソコンで作成したものとすることはできるが、その目録を両面印刷で行ったときは、少なくともその片面に署名し、印を押さなければならない。
  • 撤回された遺言は、その撤回の行為が取り消されたときであっても、その遺言の効力を回復しないが、その撤回の行為が錯誤、詐欺又は強迫による場合には、遺言の効力を回復する。
  • 未成年者であっても15歳に達していれば、法定代理人の同意がなくても遺言ができるが、同意なくしてなし得る遺言は、単に権利を得、又は義務を免れる行為に限定される。

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この過去問の解説 (3件)

01

遺言に関する問題です。

選択肢1. 遺言は、2人以上の者が同一の証書ですることができる。

遺言は、2人以上の者が同一の証書ですることはできません

選択肢2. 自筆証書によって遺言をする場合、これと一体のものとして相続財産目録を添付する場合、その目録については、他人に依頼してパソコンで作成したものとすることはできるが、その目録を両面印刷で行ったときは、少なくともその片面に署名し、印を押さなければならない。

遺言の目録をパソコンで作成し、その目録を両面印刷で行ったときは、両面に署名し、印を押さなければなりません。

 

現在では、遺言の目録をパソコンで作成できるようになっています。なお、細かい論点になりますが、目録の日付や題名など、目録部分以外については自筆でなければなりません。

 

遺言書そのものについては、現在もその全文を自筆で作成しなければなりません。

選択肢3. 撤回された遺言は、その撤回の行為が取り消されたときであっても、その遺言の効力を回復しないが、その撤回の行為が錯誤、詐欺又は強迫による場合には、遺言の効力を回復する。

正解の選択肢となります。

選択肢4. 未成年者であっても15歳に達していれば、法定代理人の同意がなくても遺言ができるが、同意なくしてなし得る遺言は、単に権利を得、又は義務を免れる行為に限定される。

未成年者であっても15歳に達していれば、法定代理人の同意がなくても遺言ができるが、同意なくしてなし得る遺言は、単に権利を得、又は義務を免れる行為に限定されるということはありません(そのような規定はありません)。

まとめ

【補足】

 

余談ですが、法律用語としては遺言は「いごん」と読みます(ゆいごん、ではありません)。その他、兄弟姉妹は「けいていしまい」、競売は「けいばい」と読むなど、独特な読み方をする用語がいくつかあります。

 

中小企業診断士も法律の知識を持った士業の一つであり、法律のアドバイスを行なう専門家でもあります。専門家としては当然知っているべき事柄ですので、たかが読み方の違いくらいと思うのではなく、しっかり使い分ける必要があります。このような細かいことを軽視していると、「法律のことを知らない人だな」という印象を持たれてしまい、ご自身の評価に悪影響を及ぼす可能性があるかも知れません。

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02

遺言に関する問題です。

選択肢1. 遺言は、2人以上の者が同一の証書ですることができる。

遺言は、2人以上の者が同一の証書ですることができません。

選択肢2. 自筆証書によって遺言をする場合、これと一体のものとして相続財産目録を添付する場合、その目録については、他人に依頼してパソコンで作成したものとすることはできるが、その目録を両面印刷で行ったときは、少なくともその片面に署名し、印を押さなければならない。

自筆証書によって遺言をする場合、これと一体のものとして相続財産目録を添付する場合、その目録については、他人に依頼してパソコンで作成したものとすることはできるが、その目録を両面印刷で行ったときは、両面に署名し、印を押す必要があります。

選択肢3. 撤回された遺言は、その撤回の行為が取り消されたときであっても、その遺言の効力を回復しないが、その撤回の行為が錯誤、詐欺又は強迫による場合には、遺言の効力を回復する。

適切な選択肢です。

選択肢4. 未成年者であっても15歳に達していれば、法定代理人の同意がなくても遺言ができるが、同意なくしてなし得る遺言は、単に権利を得、又は義務を免れる行為に限定される。

未成年者であっても15歳に達していれば、法定代理人の同意がなくても遺言ができます。また、同意なくしてなし得る遺言であっても、権利を得、又は義務を免れる行為に限定されません。

まとめ

遺言に関しては頻出論点ではない部分もあります。頻出論点をしっかり押さえた上で、余裕が出れば学習を進めましょう。

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03

この問題は、民法における遺言制度の基本的なルールについて理解度を問うものです。解説を見ながら問題を理解していきましょう。

 

選択肢1. 遺言は、2人以上の者が同一の証書ですることができる。

不適切な選択肢です

 

遺言は2人以上の者が同一の証書ですることはできません。民法975条により、遺言は2人以上の者が同一の証書でこれをすることができないと明確に規定されています(共同遺言の禁止)。これは各人の自由な意思表示を確保し、遺言の撤回の自由を保障するための規定です。したがって「同一の証書ですることができる」という記述は誤りです。

選択肢2. 自筆証書によって遺言をする場合、これと一体のものとして相続財産目録を添付する場合、その目録については、他人に依頼してパソコンで作成したものとすることはできるが、その目録を両面印刷で行ったときは、少なくともその片面に署名し、印を押さなければならない。

不適切な選択肢です

 

自筆証書遺言に添付する財産目録を両面印刷で作成した場合、両面に署名し印を押さなければなりません。民法968条2項により、自筆証書に財産目録を添付する場合、その目録の各ページに署名し印を押す必要があるとされています。両面印刷の場合は、両面がそれぞれ別のページとみなされるため、両面とも署名押印が必要です。したがって「少なくともその片面に署名し、印を押さなければならない」という記述は誤りです。

選択肢3. 撤回された遺言は、その撤回の行為が取り消されたときであっても、その遺言の効力を回復しないが、その撤回の行為が錯誤、詐欺又は強迫による場合には、遺言の効力を回復する。

適切な選択肢です

 

民法1025条により、撤回された遺言は、その撤回行為が取り消されても原則として効力を回復しません。ただし、その撤回行為が錯誤、詐欺または強迫による場合には、遺言の効力が回復します。これは、真意に基づかない撤回によって遺言者の本来の意思が害されることを防ぐための規定です。

選択肢4. 未成年者であっても15歳に達していれば、法定代理人の同意がなくても遺言ができるが、同意なくしてなし得る遺言は、単に権利を得、又は義務を免れる行為に限定される。

不適切な選択肢です

 

未成年者が15歳に達していれば、法定代理人の同意なく遺言ができますが、その内容に制限はありません。民法961条により、15歳に達した者は遺言をすることができ、その内容が「単に権利を得、又は義務を免れる行為に限定される」という制限はありません。遺言能力さえあれば、遺贈など自由に遺言の内容を定めることができます。したがって「単に権利を得、又は義務を免れる行為に限定される」という記述は誤りです。

まとめ

今回の問題で使われた条例のまとめです

 

共同遺言の禁止(民法975条)

2人以上が同一証書で遺言することは禁止

 

自筆証書遺言の方式(民法968条)

遺言本文:全文自筆
財産目録:パソコン作成可、各ページに署名押印必要
両面印刷の場合:両面とも署名押印必要

 

遺言の撤回(民法1025条)

撤回された遺言:原則として効力回復なし
例外:撤回が錯誤・詐欺・強迫による場合は効力回復

 

遺言能力(民法961条)

15歳以上:遺言可能
法定代理人の同意:不要
内容の制限:なし

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