中小企業診断士 過去問
平成27年度(2015年)
問29 (財務・会計 問4)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

中小企業診断士試験 平成27年度(2015年) 問29(財務・会計 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

株主総会の決議により、その他資本剰余金を取り崩して600,000円配当することにした。なお、資本金は4,000,000円、準備金の合計は950,000円である。このとき積み立てるべき準備金の種類と金額の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【準備金の種類】
a 資本準備金
b 利益準備金

【金額】
c 50,000円
d 60,000円
  • aとc
  • aとd
  • bとc
  • bとd

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

配当を行う場合の資本金や準備金に関する知識を問う問題となります。

通常配当を行う場合は配当金の10%を準備金として積み立てる必要があります。
しかし積み立てる金額の上限は資本金の25%となります。
本問の場合、600,000円の10%は60,000円となりますが、配当前の段階で準備金の合計が950,000円あり、資本金は4,000,000円ある状態です。
資本金4,000,000円の25%は1,000,000円ですので積み立てる金額の上限は
1,000,000-950,000=50,000
であることが分かります。
積み立てるべき金額よりも上限までの金額の方が小さいため、積み立てるべき準備金は50,000円となります。
また、準備金の種類は、配当金を用意するために取り崩す剰余金によって異なります。
利益剰余金から取り崩す場合:利益準備金
資本剰余金から取り崩す場合:資本準備金
となります。
よって今回は資本準備金に積み立てる事となります。

以上より
準備金の種類:資本準備金
積立金額:50,000円
となるため、項番1が正解です。

参考になった数119

02

配当を行う場合の準備金、剰余金の扱いについての問題です。

配当を行う場合、10%を準備金として積み立てる

資本金×1/4-(資本準備金+利益準備金)

上記、2つのうち、どちらか低い方を積み立てます。

600,000×0.1=60,000

4,000×1/4-950,000=50,000

よって、50,000を積み立てます。

資本剰余金からの取り崩しの場合は、資本準備金に積み立てます。

正解は、1

参考になった数49

03

正しい選択肢は「aとc」です。

今回の問題では、剰余金を配当するときに積み立てる準備金の種類と金額を求めます。

会社が株主に剰余金を配当する場合、会社法のルールに従い、一定の金額を準備金として積み立てる必要があります。

準備金には、次の2種類があります。

資本準備金:その他資本剰余金を取り崩して配当する場合に積み立てる準備金です。

利益準備金:その他利益剰余金を取り崩して配当する場合に積み立てる準備金です。

今回は、その他資本剰余金を取り崩して配当するため、資本準備金を積み立てます。

また、積み立てる金額は、原則として配当額の10分の1ですが、資本準備金と利益準備金の合計が資本金の4分の1に達するまでという決まりがあります。

今回の条件は、次のとおりです。

配当額:600,000円

資本金:4,000,000円

準備金の合計:950,000円

配当額の10分の1は、

600,000円×1/10=60,000円

です。

一方、資本金の4分の1は、

4,000,000円×1/4=1,000,000円

です。

すでに準備金が950,000円あるため、不足額は、

1,000,000円-950,000円=50,000円

となります。

積み立てる準備金は、配当額の10分の1と、資本金の4分の1までの不足額を比較し、少ない方の金額です。

したがって、積み立てる準備金は、資本準備金50,000円となります。

選択肢1. aとc

a 資本準備金

この記述は正しいです。

会社が株主に剰余金を配当する場合、配当の財源によって積み立てる準備金の種類が異なります。

その他資本剰余金を取り崩して配当する場合は、資本準備金を積み立てます。

その他資本剰余金とは、資本取引から生じた剰余金のうち、資本準備金などに含まれない部分のことです。

今回の問題では、「その他資本剰余金を取り崩して600,000円配当する」とされています。

そのため、積み立てる準備金は資本準備金です。

なお、資本準備金と利益準備金は、どちらも会社の財産を守るために設けられるものですが、配当の財源によって使い分けます。

したがって、この記述は正しいです。

 

b 利益準備金

この記述は誤りです。

利益準備金は、その他利益剰余金を取り崩して配当する場合に積み立てる準備金です。

その他利益剰余金とは、会社が事業活動で獲得した利益のうち、利益準備金などに含まれない部分です。

例えば、会社が事業によって得た利益を株主に配当する場合には、その配当の財源がその他利益剰余金であれば、利益準備金を積み立てます。

しかし、今回の問題では、配当の財源がその他資本剰余金とされています。

そのため、積み立てるのは利益準備金ではなく、資本準備金です。

配当の財源がその他資本剰余金なのか、その他利益剰余金なのかを確認することが重要です。

 

c 50,000円

この記述は正しいです。

積み立てる準備金の金額は、次の2つを比較して決めます。

<配当額の10分の1>

今回の配当額は600,000円です。

したがって、

600,000円×1/10

=60,000円

となります。

<資本金の4分の1までの不足額>

今回の資本金は4,000,000円です。

資本金の4分の1は、

4,000,000円×1/4

=1,000,000円

です。

すでに積み立てられている資本準備金と利益準備金の合計は950,000円なので、

1,000,000円-950,000円

=50,000円

となります。

この2つを比較すると、

配当額の10分の1:60,000円

資本金の4分の1までの不足額:50,000円

です。

少ない方の50,000円を積み立てれば、準備金の合計が資本金の4分の1に達します。

そのため、今回積み立てる金額は50,000円です。

 

d 60,000円

この記述は誤りです。

60,000円は、配当額600,000円の10分の1として計算した金額です。

600,000円×1/10

=60,000円

この計算自体は正しいです。

しかし、準備金の積立額を決める際には、すでに積み立てられている準備金の合計も確認する必要があります。

今回の資本金は4,000,000円なので、資本金の4分の1は1,000,000円です。

すでに準備金が950,000円あるため、不足している金額は50,000円です。

つまり、50,000円を積み立てれば、準備金の合計が1,000,000円に達します。

したがって、配当額の10分の1が60,000円であっても、今回積み立てる必要があるのは50,000円だけです。

配当額の10分の1を計算しただけで終わらず、資本金の4分の1までの不足額と比較することが大切です。

まとめ

今回の問題では、準備金の種類は配当の財源によって決まり、準備金の金額は2つの計算結果を比較して決めることが重要です。

<資本準備金>

その他資本剰余金を取り崩して配当する場合に積み立てます。

今回の問題では、その他資本剰余金から配当しているため、資本準備金が該当します。

<利益準備金>

その他利益剰余金を取り崩して配当する場合に積み立てます。

今回の問題では、その他利益剰余金からの配当ではないため、該当しません。

<準備金の積立額の計算>

準備金の積立額は、次の2つのうち少ない金額です。

配当額の10分の1

資本金の4分の1から、既存の資本準備金と利益準備金の合計を差し引いた金額

ただし、準備金の合計がすでに資本金の4分の1以上であれば、配当に伴う追加の積立ては不要です。

今回の問題では、次のように計算します。

<配当額の10分の1>

600,000円×1/10

=60,000円

<資本金の4分の1までの不足額>

4,000,000円×1/4

=1,000,000円

1,000,000円-950,000円

=50,000円

60,000円と50,000円を比較すると、少ない方は50,000円です。

したがって、積み立てるべき準備金は資本準備金50,000円となります。

<配当時の仕訳>

今回の配当を仕訳で表すと、次のようになります。

(借)その他資本剰余金 650,000円

(貸)未払配当金 600,000円

(貸)資本準備金 50,000円

株主への配当600,000円と、資本準備金への積立て50,000円を合わせて、その他資本剰余金を650,000円減らします。

なお、配当金を支払うことを決議した時点では、まだ株主に支払っていないため、貸方には「未払配当金」を記入します。

試験では、「その他資本剰余金からの配当は資本準備金」「その他利益剰余金からの配当は利益準備金」「積立額は配当額の10分の1と資本金の4分の1までの不足額の少ない方」という3つのポイントを覚えておくことが大切です。

参考になった数0