中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問14 (経済学・経済政策 問11(2))

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問題

中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問14(経済学・経済政策 問11(2)) (訂正依頼・報告はこちら)

経常収支および貿易収支に関する下記の設問に答えよ。

円建ての貿易収支NXが、以下のように表されるとする。
NX=PX(e)-ePM(e)
ただし、X(e)は輸出量、M(e)は輸入量、eは円建て為替レート、Pは円建て輸出財価格(一定)、Pはドル建て輸入財価格(一定)である。
為替レートの変化が貿易収支に及ぼす影響に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a  為替レートが変化しても輸出量と輸入量は変化しないとき、為替レートの円安・ドル高への変化は、貿易収支を悪化させる。
b  輸入の価格弾力性と輸出の価格弾力性がいずれも1より大きいとき、為替レートの円安・ドル高への変化は、貿易収支を改善させる。
c  輸入の価格弾力性と輸出の価格弾力性の合計が1に等しいとき、為替レートの円安・ドル高への変化は、貿易収支を悪化させる。
  • a:正  b:正  c:正
  • a:正  b:正  c:誤
  • a:正  b:誤  c:正
  • a:誤  b:正  c:正
  • a:誤  b:正  c:誤

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この過去問の解説 (1件)

01

経常収支および貿易収支に関する問題です。

 

本問では、解答群aで「Jカーブ効果」、解答群bとcでマーシャル・ラーナー条件が問われており、正誤判断に苦労した方が多いのではないかと思われます。

 

・Jカーブ効果

為替レートが変化した時に短期的には経常収支が予想と異なる動きをすることです。

具体的には、円安→貿易黒字になるはずが短期的には貿易赤字になるような現象です。

 

ただし、解答群aについては、「為替レートが変化しても輸出量と輸入量は変化しない」とあるため、円安・ドル高へ変化すると貿易収支を悪化させることは判断できると思います。(記述そのままの理解で対応可能)

 

マーシャル・ラーナー条件

輸入弾力性と輸出弾力性の合計が1より大きい(輸出入が価格変動に敏感である)と貿易収支が改善するという理論です。

 

ここから、解答群bは正しく解答群cは誤りです。

選択肢1. a:正  b:正  c:正

冒頭の解説より、最も適切な組み合わせは「a:正 b:正 c:」であるため不適切な選択肢となります。

選択肢2. a:正  b:正  c:誤

冒頭の解説より、最も適切な組み合わせは「a:正 b:正 c:誤」であるため正解の選択肢となります。

選択肢3. a:正  b:誤  c:正

冒頭の解説より、最も適切な組み合わせは「a:正 b: c:」であるため不適切な選択肢となります。

選択肢4. a:誤  b:正  c:正

冒頭の解説より、最も適切な組み合わせは「a:正 b:正 c:」であるため不適切な選択肢となります。

選択肢5. a:誤  b:正  c:誤

冒頭の解説より、最も適切な組み合わせは「a: b:正 c:誤」であるため不適切な選択肢となります。

まとめ

【補足】

 

マーシャル・ラーナー条件について全く知識が無かったとしても、解答群bとcが同じ論点であることは分かるため、どちらかが「正」「誤」の組み合わせ(どちらも「正」ではない)ではないかと判断し、解答群aもJカーブ効果について知らなければ記述をそのまま解釈することで、選択肢を絞り込むことは可能です。

 

Jカーブ効果は平成26年度に企業経営理論で出題されており、久々の出題のため本問は一度確認していただければ復習の必要はありません。

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