中小企業診断士 過去問
令和6年度(2024年)
問18 (経済学・経済政策 問16(2))

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問題

中小企業診断士試験 令和6年度(2024年) 問18(経済学・経済政策 問16(2)) (訂正依頼・報告はこちら)

短期の完全競争市場下における価格と企業の生産との関係を考える。下図には、ある財の生産に関する限界費用曲線MC、平均費用曲線ACおよび平均可変費用曲線AVCが描かれており、価格が与えられると企業は最適生産を実現するものとする。ただし、P1はACの最小値、P3はAVCの最小値に対応している。
この図に基づいて、下記の設問に答えよ。

この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a  価格がP1のとき、企業の総収入は可変費用と固定費用の合計に等しくなる。
b  価格がP2のとき、企業の損失は固定費用の一部のみとなる。
c  価格がP3のとき、企業の損失は可変費用のみとなる。
問題文の画像
  • a:正  b:正  c:正
  • a:正  b:正  c:誤
  • a:正  b:誤  c:誤
  • a:誤  b:正  c:正
  • a:誤  b:誤  c:誤

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この過去問の解説 (3件)

01

それぞれの曲線の交点や位置する点の意味を問われています。

各選択肢をそれぞれ解説します。

 

a

P1では、MCとACの交点ともなっています。

この点では収入と費用が等しくなるため、本選択肢は正しいです。

 

b

P2では、MC上の点はACの最小点よりも低いですが、AVCの最小点よりも高いため、固定費用の一部は回収できていませんが、可変費用は回収できていると考えます。

そのため本選択肢は正しいです。

 

c

P3では、MCとAVCの交点となっているため、可変費用は回収できていますが、固定費用はまったく回収できていません。

そのため企業の損失は固定費用すべてであるため、本選択肢は誤っています。

 

正しい選択肢の組み合わせは、 a:正 b:正 c:誤 です。

選択肢1. a:正  b:正  c:正

本選択肢は不正解です。

選択肢2. a:正  b:正  c:誤

本選択肢が正解です。

選択肢3. a:正  b:誤  c:誤

本選択肢は不正解です。

選択肢4. a:誤  b:正  c:正

本選択肢は不正解です。

選択肢5. a:誤  b:誤  c:誤

本選択肢は不正解です。

まとめ

図が出てくる問題では、変化を表す点や線を描きくわえながら解くと、条件や状況を整理しやすくなるので有効です。

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02

企業の費用に関する問題です。以下、誤りの解答群のみ解説します。

 

c.価格がP3のとき、企業の損失は可変費用のみとなる。

→価格がP3のとき、企業の損失は固定費用のみとなります。

 

与件文に「(価格)P3はAVCの最小値に対応している」という記述があり、P3は平均可変費用曲線(AVC)の最下点になります。

前の問題で、平均費用曲線ACは「固定費を含む総費用」、平均可変費用曲線AVCは「(可変費用なので)固定費以外の費用」、AC-AVCの差分が固定費となることを説明しており、本問ではこのAC-AVCの差分である固定費の一部が回収できていないことになります。

解答群aとbについては正解ですが、簡単に説明します。

 

a.価格がP1のとき、企業の総収入は可変費用と固定費用の合計に等しくなる。

→価格P1では平均費用曲線ACの最小値であることが与件文に記述されており、企業の総収入は可変費用と固定費用の合計に等しくなります。(利潤はゼロです)

 

※グラフでは費用の一部が回収できていないように見えますが、平均費用曲線ACの最下点が損益分岐点となり利潤がゼロとなる(解説のまとめもご参照ください)ため、グラフが誤っているわけではありません。


b.価格がP2のとき、企業の損失は固定費用の一部のみとなる。

→価格P2平均費用曲線ACと平均可変費用曲線AVCの間になるため、価格P2とP3の間の固定費が回収できていないことになります。

選択肢1. a:正  b:正  c:正

冒頭の解説より、「a:正、b:正、c:」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

選択肢2. a:正  b:正  c:誤

冒頭の解説より、「a:正、b:正、c:誤」の組み合わせであるため正解の選択肢となります。

選択肢3. a:正  b:誤  c:誤

冒頭の解説より、「a:正、b:、c:誤」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

選択肢4. a:誤  b:正  c:正

冒頭の解説より、「a:、b:正、c:」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

選択肢5. a:誤  b:誤  c:誤

冒頭の解説より、「a:、b:、c:誤」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

まとめ

【補足】

 

平均可変費用曲線AVCの最下点は「操業停止点」といい、企業が生産を止める点となります。(生産を継続すると、生産した分だけ損失を出し続けてしまうためです)

 

また、平均費用曲線ACの最下点は「損益分岐点」といい、収支がトントンになる点です。(解答群aの解説にあるように、利潤はゼロです)

 

本問ではこれらの用語は直接問われていませんが、操業停止点と損益分岐点についても押さえておきましょう。

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03

短期の完全競争では、企業は「P=MC」で生産量を決め、操業可否は「P≧AVCの最小値(=操業停止点P3)」で判断します。また、損益はPとACの大小で決まり、P=ACなら利潤ゼロ、P<ACなら損失が生じます。損失が固定費の全部か一部かは、PがAVCを上回っているかで見分けます。

a 適切
P1はACの最小値であり、このときP=ACなので利潤はゼロです。総収入は総費用(可変費用+固定費用)に等しくなります。

b 適切
P2はP3(AVC最小)より高く、操業は継続しますが、ACより低い水準です。よって損失は出るものの、可変費用は回収でき、固定費の一部のみが損失になります。

c 不適切
P3はAVCの最小値(操業停止点)なので、操業した場合は総収入=可変費用となり、損失は固定費の全額になります。「損失が可変費用のみ」は誤りです。

選択肢2. a:正  b:正  c:誤

適切です。

まとめ

P1(AC最小)ではP=ACとなり利潤ゼロで、総収入=総費用が成立します。P2はAVC最小より高いので操業し、可変費用は回収できる一方、P<ACで損失が出るため固定費の一部が未回収となります。P3(AVC最小)では総収入=可変費用となり、損失は固定費の全額です。したがって a:正、b:正、c:誤 が最適です。

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