中小企業診断士 過去問
令和6年度(2024年)
問8 (経済学・経済政策 問8)

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問題

中小企業診断士試験 令和6年度(2024年) 問8(経済学・経済政策 問8) (訂正依頼・報告はこちら)

財政の自動安定化装置(ビルトイン・スタビライザー)としての機能が比較的強いと想定される税の仕組みとして、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。

a  利潤に対して累進的に課せられる法人所得税
b  全ての人に同額が課せられる定額税
c  生活必需品に対して課せられる消費税
d  一定額までの所得には課税を免除する個人所得税
  • aとb
  • aとc
  • aとd
  • bとc
  • bとd

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この過去問の解説 (3件)

01

財政の自動安定化装置(ビルトイン・スタビライザー)としての機能とは、経済を安定させるために景気の変動をコントロールすることです。

具体的には累進課税や失業保険などの制度のことを指しています。

 

各選択肢をそれぞれ解説します。

 

a

これは累進課税制度のことですので、ビルトイン・スタビライザーの1つということになるため、本選択肢は正しいです。

 

b

すべての人に同額が課せられていては、景気の変動のコントロールはできないためビルトイン・スタビライザーとはいえません。

そのため本選択肢は誤っています。

 

c

消費税もすべての人に同額が課税されるため、ビルトイン・スタビライザーとはいえません。

そのため本選択肢は誤っています。

 

d

一定額までの所得には課税を免除するということは、すべての人に同額が課税されるわけではないため、ビルトイン・スタビライザーの機能が期待できます。

そのため本選択肢は正しいです。

 

正しい選択肢の組み合わせは、 aとd です。

選択肢1. aとb

本選択肢は不正解です。

選択肢2. aとc

本選択肢は不正解です。

選択肢3. aとd

本選択肢が正解です。

選択肢4. bとc

本選択肢は不正解です。

選択肢5. bとd

本選択肢は不正解です。

まとめ

ビルトイン・スタビライザーとはお金の流れでみるともう少しわかりやすくなります。

景気が良いときは民間から政府へとお金が流れていき、逆に景気が悪いときは政府から民間へとお金が流れていくようにします。

それを制度にすると累進課税や一定額まで課税しなかったり、失業保険を給付するということになります。

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02

ビルトイン・スタビライザーに関する問題です。

 

ビルトイン・スタビライザーとは、景気が良い時には高率の所得税などを課して個人や法人の消費需要を抑制し、景気が悪い時には所得税率を下げたり失業者に失業保険を給付することで一定の消費需要を保つような「景気の自動調節機能」をいいます。

 

以上から、解答群aは景気が良い時のビルトイン・スタビライザーであり、解答群dは景気が悪い時のビルトイン・スタビライザーであることが判断できます。

 

所得の多寡に関わらず課せられる定額税や、景気の良し悪しに関わらず課せられる消費税は、ビルトイン・スタビライザーではありません

選択肢1. aとb

冒頭の解説より、「aとd」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

選択肢2. aとc

冒頭の解説より、「aとd」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

選択肢3. aとd

冒頭の解説より、「aとd」の組み合わせであるため正解の選択肢となります。

選択肢4. bとc

冒頭の解説より、「ad」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

選択肢5. bとd

冒頭の解説より、「ad」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

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03

この問題は、政府がその都度政策を打ち出さなくても、景気の良し悪しに応じて自動的に景気を調整する仕組みである「ビルトイン・スタビライザー(自動安定化装置)」の具体的な内容を問うものです。

解説を見ながら問題を確認していきましょう。

 

aは正しいです

「利潤に対して累進的に課せられる法人所得税」は、典型的なビルトイン・スタビライザーです。 景気が良く企業の利益が上がれば、累進税率によって税金がそれ以上に増え、経済の過熱を自動的に抑えます。逆に不況で利益が減れば税負担も急減するため、景気の下支え役となります。

 

bは誤りです

「全ての人に同額が課せられる定額税」は、景気の状態にかかわらず税額が一定です。 所得が増えても減っても徴収額が変わらないため、景気の変動を相殺する「自動調整機能」は働きません。したがって、ビルトイン・スタビライザーとしては機能しません。

 

cは誤りです

「生活必需品に対して課せられる消費税」は、所得の多寡にかかわらず消費量に応じて課税されます。 むしろ低所得者ほど負担感が重くなる(逆進性)という特徴はありますが、景気変動に合わせて税率が自動的に上下するわけではないため、ビルトイン・スタビライザーとしての機能は極めて弱いです。

 

dは正しいです

「一定額までの所得には課税を免除する個人所得税」も、ビルトイン・スタビライザーとして機能します。 不況で所得が下がると、免税点以下になる人が増えて全体の税収が自動的に大きく減り、人々の手元にお金が残るようになります。これにより、消費の落ち込みを自動的に和らげる効果があります。

選択肢1. aとb

不適切な選択肢です

選択肢2. aとc

不適切な選択肢です

選択肢3. aとd

適切な選択肢です。

選択肢4. bとc

不適切な選択肢です

選択肢5. bとd

不適切な選択肢です

まとめ

本問は、経済学・経済政策の「財政政策:財政の機能」の範囲です。ビルトイン・スタビライザーと対比される「補正予算」などの裁量的(ディスクレショナリー)財政政策との違いもよく問われます。覚えておきましょう。

 

また今回のように正解の選択肢が複数ある場合もあるので注意しましょう。

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