中小企業診断士 過去問
令和5年度 再試験(2023年)
問129 (経営法務 問7)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

中小企業診断士試験 令和5年度 再試験(2023年) 問129(経営法務 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

会社法が定める合併に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 吸収合併を簡易合併手続により実施する場合、合併により交付する対価は、吸収合併存続会社の株式に限定される。
  • 吸収合併を簡易合併手続により実施する場合、吸収合併消滅会社が行政機関から取得した許認可等の公法上の権利義務は、その種類を問わず、当然に吸収合併存続会社に承継される。
  • 吸収合併を簡易合併手続により実施する場合、吸収合併存続会社においては、合併承認に係る株主総会の決議は不要となるが、吸収合併消滅会社においては、合併承認に係る株主総会の決議が必要となる。
  • 吸収合併を簡易合併手続により実施する場合、吸収合併存続会社においては、債権者保護手続(債権者異議手続)を履行しなければならないが、吸収合併消滅会社においては、債権者保護手続(債権者異議手続)を履行する必要はない。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

合併に関する問題です。

 

各選択肢の記述量が多く正誤判断に時間はかかりますが、正答することは十分に可能なレベルの難易度です。

選択肢1. 吸収合併を簡易合併手続により実施する場合、合併により交付する対価は、吸収合併存続会社の株式に限定される。

吸収合併を簡易合併手続により実施する場合、合併により交付する対価は、吸収合併存続会社の株式以外(金銭やその他の財産)も可能です

 

このことを「対価の柔軟化」といいます。なお、その他の財産とは、社債、新株予約権など多様な財産が含まれます。

選択肢2. 吸収合併を簡易合併手続により実施する場合、吸収合併消滅会社が行政機関から取得した許認可等の公法上の権利義務は、その種類を問わず、当然に吸収合併存続会社に承継される。

吸収合併を簡易合併手続により実施する場合、吸収合併消滅会社が行政機関から取得した許認可等の公法上の権利義務は、その種類を問わず、当然に吸収合併存続会社に承継されるわけではありません

 

吸収合併消滅会社が行政機関から取得した許認可等の公法上の権利義務は、吸収合併消滅会社に対して与えられたものです。権利義務を取得した会社が消滅してしまうため、吸収合併存続会社が改めてそれらの許認可等を取得し直す必要があります。

 

本問では、「その種類を問わず」「当然に」という断定表現が含まれており、一般的には誤りの解答である可能性が高いです。本選択肢の正誤判断が正確にできなくても、これらの断定的な表現に違和感を感じて選択肢から排除することができれば試験対策上は十分です。

選択肢3. 吸収合併を簡易合併手続により実施する場合、吸収合併存続会社においては、合併承認に係る株主総会の決議は不要となるが、吸収合併消滅会社においては、合併承認に係る株主総会の決議が必要となる。

正解の選択肢となります。

選択肢4. 吸収合併を簡易合併手続により実施する場合、吸収合併存続会社においては、債権者保護手続(債権者異議手続)を履行しなければならないが、吸収合併消滅会社においては、債権者保護手続(債権者異議手続)を履行する必要はない。

吸収合併を簡易合併手続により実施する場合、吸収合併消滅会社において、債権者保護手続(債権者異議手続)を履行する必要があります

まとめ

【補足】

 

合併(新設、吸収)や事業譲渡といった論点が含まれる会社法は以前から頻出論点ですが、中小企業のM&Aが増加している背景もあり、今後も毎年出題され続けることが予想されます。その分、過去問題は豊富にありますので、直近5年間の過去問題を繰り返し復習して対応できるようにしておきましょう。

参考になった数22

02

会社法が定める合併に関する問題です。

選択肢1. 吸収合併を簡易合併手続により実施する場合、合併により交付する対価は、吸収合併存続会社の株式に限定される。

対価は、原則として株式ですが財産価値のある株式以外のものも対価とすることができます。

選択肢2. 吸収合併を簡易合併手続により実施する場合、吸収合併消滅会社が行政機関から取得した許認可等の公法上の権利義務は、その種類を問わず、当然に吸収合併存続会社に承継される。

吸収合併を簡易合併手続により実施する場合、吸収合併消滅会社が行政機関から取得した許認可等の公法上の権利義務は、その種類を問わず、当然に吸収合併存続会社に承継されるわけではありません。

例えば、営業許可や免許・補助金や助成金の受給資格は個別に再申請が必要になることがあります。

選択肢3. 吸収合併を簡易合併手続により実施する場合、吸収合併存続会社においては、合併承認に係る株主総会の決議は不要となるが、吸収合併消滅会社においては、合併承認に係る株主総会の決議が必要となる。

適切な選択肢です。

選択肢4. 吸収合併を簡易合併手続により実施する場合、吸収合併存続会社においては、債権者保護手続(債権者異議手続)を履行しなければならないが、吸収合併消滅会社においては、債権者保護手続(債権者異議手続)を履行する必要はない。

吸収合併消滅会社においても、債権者保護手続(債権者異議手続)を履行しなければなりません。

まとめ

合併に関しては新設合併という方法も存在します。また、組織再編には株式移転や株式交換、事業譲渡、会社分割などが存在します。

それぞれの特徴を整理しておきましょう。

参考になった数7

03

企業経営理論から組織再編・合併に関する問題です。解説を見て一つ一つ理解していきましょう。

 

選択肢1. 吸収合併を簡易合併手続により実施する場合、合併により交付する対価は、吸収合併存続会社の株式に限定される。

不適切な選択肢です。

 

簡易合併手続において、合併により交付する対価は存続会社の株式に限定されません。対価として現金その他の財産を交付することも可能です。したがって「株式に限定される」という記述は誤りです。

選択肢2. 吸収合併を簡易合併手続により実施する場合、吸収合併消滅会社が行政機関から取得した許認可等の公法上の権利義務は、その種類を問わず、当然に吸収合併存続会社に承継される。

不適切な選択肢です。

 

行政機関から取得した許認可等の公法上の権利義務は、原則として当然には承継されません。許認可の性質や根拠法令によって承継の可否が異なり、多くの場合は再取得が必要となります。したがって「その種類を問わず、当然に承継される」という記述は誤りです。

選択肢3. 吸収合併を簡易合併手続により実施する場合、吸収合併存続会社においては、合併承認に係る株主総会の決議は不要となるが、吸収合併消滅会社においては、合併承認に係る株主総会の決議が必要となる。

適切な選択肢です。

 

これが正しい記述です。会社法796条・797条の規定により、簡易合併手続では存続会社において合併承認に係る株主総会の決議は不要となりますが、消滅会社においては合併承認に係る株主総会の決議が必要です。これが簡易合併の特徴です。

選択肢4. 吸収合併を簡易合併手続により実施する場合、吸収合併存続会社においては、債権者保護手続(債権者異議手続)を履行しなければならないが、吸収合併消滅会社においては、債権者保護手続(債権者異議手続)を履行する必要はない。

不適切な選択肢です。

 

消滅会社においても債権者保護手続を履行する必要があります。簡易合併手続であっても、消滅会社の債権者を保護するための債権者異議手続は省略できません。したがって「消滅会社においては債権者保護手続を履行する必要はない」という記述は誤りです。

まとめ

詳しく調べたい方は会社法796条・797条を調べると良いでしょう。

参考になった数1