中小企業診断士 過去問
令和4年度(2022年)
問108 (運営管理 問16)

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問題

中小企業診断士試験 令和4年度(2022年) 問108(運営管理 問16) (訂正依頼・報告はこちら)

あるプレス工程では、1人の作業者が以下のような手順①、②で作業を行っている。

手順①作業aの後に作業bを行い、これを5回繰り返す。
   作業a:材料置き場から鉄板を1枚取り出し、プレス機に投入して加工する。
   作業b:加工が終わった鉄板を取り出し、加工済みの鉄板を入れるパレットに移す。
手順②加工済みの鉄板5枚を入れたパレットを仮置き場に移し、手順①に戻る。

この手順①、②を1サイクルとして、ストップウオッチを使って時間研究を実施した結果、1サイクルの正味作業の観測時間の平均値は90秒、レイティング係数は110であった。次に、この作業者についてワークサンプリングを実施し、延べ500回の計測の中で余裕に該当するサンプルの数が60観測された。
この結果を用いて標準時間を求めたとき、この1サイクルの標準時間として、最も適切なものはどれか。
  • 90秒未満
  • 90秒以上95秒未満
  • 95秒以上100秒未満
  • 100秒以上

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

レイティングとは、観測対象の作業者の観測時間を正味時間に換算することです。

この問題でのレイティング係数110とは、正味作業時間より1.1倍速度が速いことを意味しています。

そのため、観測対象の1サイクルの観測時間の平均値は90秒ですので、

90秒×1.1=99秒が、正味時間です。

次に標準時間を求めるために、まずは余裕率を算出します。

余裕率とは、作業時間に占める余裕時間の割合で、今回のケースでは、500回の計測の中で60回余裕に該当するサンプルがありましたので、

60/500=0.12 余裕率は12%です。

最後に標準時間を求めます。標準時間の計算方法は、

標準時間=(正味時間)/(1-余裕率)ですので、

標準時間は、99秒/1-0.12=112.5秒です。

以上より、選択肢の中では、100秒以上である、4が正解です。

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02

ワークサンプリングで「延べ500回のうち、余裕に当たる観測が60回」と出た場合、60/500は「全体(標準時間)の中で余裕が占める割合」を表します。これは内掛け法の余裕率として扱うのが自然です。

内掛け法の余裕率は、余裕時間÷(余裕時間+正味時間)です。

したがって、余裕率は60/500=0.12(12%)です。

 

この余裕率を使うと、標準時間は次の式で求めます。
標準時間=正味時間÷(1−余裕率)

 

本問では、正味時間が90秒×1.1=99秒なので、

標準時間=99÷(1−0.12)=112.5秒です。

 

もし外掛け法で表すなら、余裕率は「余裕時間÷正味時間」なので、観測回数で言えば60/440(約13.6%)の形に直してから、

標準時間=正味時間×(1+余裕率)で計算します。

結果の標準時間は同じ112.5秒になります。

選択肢1. 90秒未満

標準時間は112.5秒のため本選択肢は不正解です。

選択肢2. 90秒以上95秒未満

標準時間は112.5秒のため本選択肢は不正解です。

選択肢3. 95秒以上100秒未満

標準時間は112.5秒のため本選択肢は不正解です。

選択肢4. 100秒以上

標準時間は112.5秒のため本選択肢が正解です。

まとめ

余裕率の求め方には本問のような内掛け法と外掛け法の2種類があります。

標準時間を求める計算式も変わるため、どちらの方法で計算しているのか確認しておきましょう。

言葉の意味だけでなく本問のように計算する問題も出題されるため、実際に計算する練習をして対策しておけば出題されても慌てずに対応できます。

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03

ストップウオッチ法による標準時間の算出が求められています。

各選択肢が「幅を持たせた」記述になっていることが、本問の解答ポイントです。

 

標準時間は、正味時間を計算して、余裕率を計算して、正味時間と余裕率の数値を使って標準時間を求めるというプロセスが必要になりますが、1つ目の正味時間を計算した段階で選択肢を4→2択に絞り込むことができます。

 

念のため、正味時間を計算します。

正味時間は観測時間(の代表値=本問では平均値)×レイティング係数により求めますが、与件文で与えられている数値から99秒(90×1.1)と求まります。

 

次に余裕率を計算するわけですが、余裕率を考慮すると、計算するまでもなく選択肢は1つに絞られます。

選択肢1. 90秒未満

不適切な選択肢です。

選択肢2. 90秒以上95秒未満

不適切な選択肢です。

選択肢3. 95秒以上100秒未満

不適切な選択肢です。

選択肢4. 100秒以上

正解の選択肢となります。

まとめ

【補足】

試験対策上、標準時間の計算方法は暗記して過去問題でトレーニングしていることが必要ではありますが、標準時間の問題だから条件反射的に数値を入れて計算するのではなく、まず選択肢を見て「正味時間を計算するだけで、正解できそうだな」という判断をしてから計算することにより、短い時間で正答に辿り着くことができます。

 

もし、本問の選択肢が(正解である)112.5のように標準時間を求めなければ正答できない設定になっているのであれば、正味時間を計算して、余裕率を計算して、正味時間と余裕率の数値を使って標準時間を求めるというプロセスが必要になります。

 

過去問題を解く際には、与件文だけではなく選択肢まで確認してから「どのように解けば最短時間で処理できるか」というイメージを持ち、実際に処理時間も計測してみましょう。

※あえて「正答」ではなく「処理」という表現にしているのは、選択肢を1つに絞り込む「処理」ができれば、きちんとした数値を求めなくても正答できるという考えに基づいているためです。

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