中小企業診断士 過去問
令和元年度(2019年)
問64 (企業経営理論 問14)
問題文
情報処理の必要性とコミュニケーションメディアのリッチネス、調整メカニズムに関する記述として、最も適切なものはどれか。
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問題
中小企業診断士試験 令和元年度(2019年) 問64(企業経営理論 問14) (訂正依頼・報告はこちら)
情報処理の必要性とコミュニケーションメディアのリッチネス、調整メカニズムに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 新たなアイデアを生み出すために部門間調整を行う際、多義性の除去が必要になるときには、コミュニケーションの冗長性を排除し、効率的な調整メカニズムを確保する必要がある。
- 環境の新しい意味や価値の変化を知るには、多義性よりも不確実性の除去が重要なので、アンケート調査のような手法が有効である。
- 環境の質的な変化は、組織部門間での多義性の除去の必要性を増加させるので、部門間でのフェイス・ツー・フェイスコミュニケーションなどのリッチなコミュニケーションメディアを利用した調整メカニズムが必要になる。
- コミュニケーションメディアをリッチなものにするためには、迅速なフィードバック、明確に定義された言語による報告書、複数のチャネルの確保が必要である。
- 不確実性は情報量の不足を意味するので、リッチなコミュニケーションメディアを活用する必要性があり、より多くの情報を収集・処理するために職能別専門化を追求した組織構造を設計することが望ましい。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は「環境の質的な変化は、組織部門間での多義性の除去の必要性を増加させるので、部門間でのフェイス・ツー・フェイスコミュニケーションなどのリッチなコミュニケーションメディアを利用した調整メカニズムが必要になる。」です。
不適切です。
多義性の除去が必要な時は、リッチなコミュニケーションメディアが必要となります。
不適切です。
環境の新しい意味や価値の変化を知るには、不確実性よりも多義性の除去が必要です。そのため、アンケート調査よりも、対面での調査の方が適しています。
適切です。
記述の通りです。
不適切です。
コミュニケーションメディアをリッチなものにするためには、明確に定義された言語による報告書は不要です。
不適切です。
不確実性は情報量の不足を意味するので、効率的なコミュニケーションメディアを選択し、より多くの情報を収集・処理するために職能別専門化を追求した組織構造を設計することが望ましいです。
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02
不確実性と多義性に関する問題です。
不確実性とは、情報の量が不足していること、多義性とは必要な情報に多様な解釈があって、どのような情報を集めればよいかわからない状態を言います。
以上の内容を踏まえて選択肢の正誤を判定します。
多義性の除去にはコミュニケーションのリッチネスが必要ですので誤りです。
環境の新しい意味や価値の変化を知るには、不確実性の除去よりも多義性の除去が必要ですので誤りです。
正解です。
コミュニケーションメディアをリッチなものにするには、明確に定義された言語による報告書よりは様々なタイプの情報が有効ですので誤りです。
不確実性の除去にはリッチなコミュニケーションメディアよりも効率的なコミュニケーションメディアが有効ですので誤りです。
不確実性と多義性に関する問題でした。あまり出題されない論点ですが本問を繰り返し復習して内容理解に努めましょう。
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03
情報処理の必要性とコミュニケーションメディアのリッチネス、調整メカニズムに関する問題です。横文字が多く、人によっては対応が難しいと感じる内容です。
・不確実性(uncertainty)
端的に言えば「情報格差」です。情報格差を埋める(=不確実を除去する)ためには、追加の情報収集が必要になります。
・多義性(equivocality)
人によって、解釈が様々であることです。多義性を除去するためには、解釈の定義(情報の整理)が必要になります。
多義性の除去が必要になるときには、コミュニケーションの冗長性を確保する必要があるため不適切な選択肢です。
※冗長性には、余力、バッファなどの意味があります。経営情報システムで見ることがある用語です。本選択肢の文脈では、情報を整理するためにより多くのコミュニケーションを経て効率的な調整メカニズムを確保する必要があります。
自由回答形式ではなく、「はい」「いいえ」で回答させたり、複数の選択肢から1つ選ばせる形式のアンケート調査の場合、情報格差を埋める(=不確実を除去する)ことにはならないと思われるため不適切な選択肢です。
アンケート調査にも複数の種類があり、本選択肢の記述内容が曖昧であるため、本選択肢で正誤判断をすることは避ける方が無難です。
「多義性の除去の必要性を増加させる」とは、解釈の定義(情報の整理)の必要性が高いということです。
そのためには、フェイス・ツー・フェイス(対面)で直接、解釈の定義(情報の整理)を行なうことが効果的であるため正解の選択肢となります。
※対面で直接情報の整理を行なうことで、相手の解釈がすぐにフィードバックとして返ってきます。(解釈に違いがあれば「違う!」という反応になります)
明確に定義された言語による報告書、複数のチャネルの確保は、コミュニケーションメディアをリッチなものにするためにはむしろ逆効果であると考えられるため不適切な選択肢です。
※「明確に定義された言語による報告書」は、「明確に定義された言語」という記述から報告書の作成者により既に情報の整理が行なわれていて、コミュニケーションメディアがリッチになる可能性が低い。
※「複数のチャネルの確保」は、チャネルが複数あることで情報が錯綜するおそれがあり、コミュニケーションメディアがリッチにならない。
冒頭の解説より、不確実性と多義性の記述が入り混じっており不適切な選択肢です。
※正解の選択肢から、「リッチなコミュニケーションメディアを活用する」とは解釈の定義(情報の整理)をすることであり、多義性の記述となります。また、後半部分の記述は不確実性の記述となります。
【補足】
冒頭の解説より、本問は横文字が苦手な人にとっては対応が難しいと感じる内容です。
解釈に時間がかかるため、ややこしい内容だと感じたら手を付けずに余った時間で対応する方が無難です。
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